
2018年に丸亀高等学校演劇部が舞台化し全国高等学校演劇大会で最優秀賞を受賞した同作品を、気鋭の演出家・瀬戸山美咲がその戯曲を潤色・演出した舞台「フートボールの時間」。本作品は企画・制作を手がける岐阜県可児市・可児市文化創造センター alaでスタッフ、キャストが1ヶ月半滞在して創作された。今回はこの舞台作品をご紹介するとともに、各日2組4名様をご招待する。公演は10/18(水)〜22(日)可児市文化創造センター alaにて上演。その後全国6会場を巡回する。
良妻賢母になることが女性の理想とされ、男尊女卑が当たり前だった大正時代。女学生たちのボールの先にはどんな景色が広がっているのか•••。これは時代の潮流に抗い、女性が活躍できる未来に夢をつなぐ物語ー。きっかけは大正時代に撮影された、はじける笑顔で女子学生たちがボールを蹴っている写真。そこに写る女学生たちのドラマを丸亀高等学校演劇部が舞台化し、2018年の全国高等学校演劇大会で最優秀賞を受賞。今作はその戯曲を潤色している。
演出の瀬戸山美咲はこの戯曲について「大正時代の丸亀高等女学校の学生たちが笑顔でボールを蹴っている一枚の写真から生まれた戯曲だそうですが、なぜそんな写真があったのか、写真があるにもかかわらずその後なぜ女性のサッカーがやられなくなってしまったのか、題材自体がミステリアスで非常に興味をそそられました。そして100年経った今も、例えば東京医科大学の入試で女子受験者の点数が一律に減点されていた事件に象徴されるように、女性の可能性が狭められている状況は変わらない。そういう問題も、女学生の瑞々しい姿を通してビビッドに描いていて、魅力的な作品だなと思いました。そしてその世界をもっと広げて、大人のドラマも描こうと考えました。それで女学生にサッカーを指導している教師・井上通子(堺小春)を主人公にして、通子たちに立ちはだかる人々の背景も繊細に細かく描いていこうと思っています。また、新たに地元の写真館の娘である青山梅子(井上向日葵)を登場させて、通子と梅子のシスターフッドのような物語も加えました。先進的な考えを持っている通子やサッカーを楽しむ女学生と出会うことで、自分も写真を撮りたいと思いながらも女性だからできないと思っていた梅子が、自分の可能性に気がつき変化していく。ただ、女性に限らず、誰もがやりたいことができて活躍できる社会になればというお話なので、いろんな方に観ていただければと思いますし。別に堅苦しいお芝居ではなく(笑)、サッカーの要素を身体で表現したり、美術や衣裳に大正時代のかわいらしさを取り入れて、ビジュアル的にも楽しい作品にしたいと思っています。」と語る。
主人公となる教師・井上通子を演じるのは堺小春。2005年ミュージカル『アニー』でデビュー。 2015年舞台『転校生』オーディションに合格。以来、舞台からTVドラマまで活躍の幅を広げている。
この舞台に立つことについて「先生という役柄は初めてで、生徒の皆さんをしっかりまとめていけるのか心配です。でも、学生の頃からなぜか、学級委員や部活の部長を任せられて、確かにいろんな人に話しかけていくタイプではあるので。それを活かして、皆さんと和やかにお芝居を作っていければと思っています。女性がサッカーをすることを非難される時代、そういう時代に生まれても強く生きていく女性の姿はすごく素敵だなと思いました。多様性が重視されている現代だからこそ、その姿は訴えるものがあるんじゃないかなと。私は、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(19年)に、東洋の魔女の谷田絹子の役で出演したんですけど、スポーツをやっていたらお嫁にいけないと言われるなかで彼女たちは頑張っていました。誰かの行動ですぐに世界が変わるわけではないですが、そんなふうに頑張った人たちが今の時代を作っているのかもしれないなと思うので。井上通子先生もその一人なんだという強い気持ちを持って演じたいなと思います。」
今回の「フートボールの時間」は可児市文化創造センター alaが続ける「ala Collecrion シリーズ」のvol.14となる。このシリーズは、第一線で活躍するキャスト・スタッフが可児市に約1か月半滞在しながら質の高い演劇作品を創作し、その作品を可児市から東京、そして全国に向けて発信するプロジェクト。もちろん今も滞在して制作が続けられている。この滞在制作について二人は、
瀬戸山:アーラという劇場は、朝から晩までいろいろな人が、それぞれの目的をもって自分の時間を過ごしに来る、広場のような、とても素敵な劇場だなと思っております。集中して、演劇に向き合える素晴らしい環境です。市民サポーターのみなさんが毎日充実した差し入れをしてくださり、また稽古を見て感想をくださるのも大変励みになっています。この作品を幅広い世代の方にご覧いただき、いろいろと感じていただければと思います。
堺:地域で演劇を作る経験が初めてなので、可児市のみなさんにとてもあたたかく支えていただいていると感じます。市民サポーターの方が毎日差し入れをくださったり、無人販売の野菜を売っている方が、毎日野菜や大きいパンをくださったり、可児市が一体となって創っている作品なんだなと身をもって感じます。先日、ジャズバンドのライブをこの劇場で観せていただいた時も、劇場に足を運び集まるお客様が、娯楽をとても楽しんでいるその雰囲気を見て感動しました。
と、充実した可児市での滞在を送っている模様。公演初日までさらに作品は深められるようだ。

制作発表の模様(於:可児市文化創造センター ala)
10/18wednesday〜22SUNDAY
ala Collectionシリーズvol.14「フートボールの時間」
▪️会場/可児市文化創造センター ala 小劇場
▪️開演/10月18日(水)・19日(木)・21日(土)・22日(日)14;00
10月20日(金)18:00
*10月18日(水)・19日(木)はアフタートーク有
▪️料金/全席指定¥5,000 25才以下¥2,500
▪️お問合せ/可児市文化創造センター インフォメーション
TEL.0574-60-3050(9:00〜19:00 火曜日休館)
*未就学児入場不可
<本公演に各日2組4名様をご招待!!>
ご希望の方は以下のリンクよりご応募ください。「お問合せ内容」に「フートボールの時間」チケットプレゼント希望として、お名前・ご連絡先、ご希望の日程(①〜⑤)を明記の上、10/13(金)23:59までにご応募ください。当選の発表はメールにてお知らせします。当日は当選メールの画面、もしくはメール内容のプリントをご持参ください。たくさんのご応募をお待ちしております!!
ご招待公演日程
①10/18(水)14:00開演
②10/19(木)14:00開演
③10/20(金)18:00開演
④10/21(土)14:00開演
⑤10/22(日)14:00開演
応募先リンク<こちら>
2023年08月31日 <会見レポート! 森達也監督による初の劇映画「福田村事件」が9/1(金)より公開!>
オウム真理教の信者たちを追った「A」「A2」や、東京新聞社会部の望月記者を追ったドキュメンタリー「i 〜新聞記者ドキュメント〜」などで知られる森達也監督。その最新作は、実話に基づいた劇映画「福田村事件」だ。集団心理が引き起こした狂気を、人々の個を丁寧に描きながら豊かで深いドラマに仕上げている。名古屋・伏見ミリオン座で行われた森監督の会見をレポートする。
物語は今からちょうど100年前の出来事。第一次世界大戦後、日本は大不況となり、米騒動からシベリア出兵や韓国での3.1独立運動と不穏な時代となっていた。そこにスペイン風邪が猛威を振るい、人々の不安、不満は頂点に達しようとしていた。さらにマスコミは、政府の失政の矛先を社会主義者や朝鮮人の排除へと世論を煽るようになる。そこへとどめを刺すように関東大震災が発生。不安と恐怖は「朝鮮人が略奪や放火をしている」というデマを生み出し、千葉県・福田村での惨劇が起きてしまう。
この劇映画で描きたかったことについて森監督は「やっぱり僕にとっての原点は、オウム真理教のドキュメンタリーなんです。その時に、施設に入った時に信者たちがみんな本当に善良で穏やかで純真でびっくりしたんです。でも同時に、彼らも指示が下ればおそらくサリンを撒いていたと思うのですが、これって何なんだろうと。メディアはとにかく邪悪で凶暴な集団だという伝え方しかしない。このギャップは何かなとずっと考えていて、ポーランドのアウシュビッツやカンボジアのキリングフィールド、虐殺の現場を歩いてみたんです。そこでもやはり同じ。つまり、個々の加害側が本当に凶暴で冷徹だったかというと、そんなはずはない。一人ひとりは父であり、誰かの息子であるわけです。それが何故か凶暴になってしまう。原因は「集団」です。人は集団になったときに1人じゃできないことができてしまう。集団に主語を預けてしまったときにとんでもない失敗をする。何も昔のだけの話ではなくて現代でも世界中で起こっていることで、それは人類の1つの宿痾(しゅくあ)とでも言えばいいのか。だから防ぐことなかなか難しいけど、歴史を知れば多分同じ過ちは犯さないはずだと思うんです。でも、この国は今、負の歴史を自虐史観だと言って、軽視どころかもうなかったようにする傾向がある。それは駄目だろうという思いがあり、この事件をモチーフにしたの理由はそこにあります。」

題材からみても社会的メッセージが強く感じられる作品だが、ドラマとしてとても面白く見応えのある内容となっているのは強調しておきたい。キャストは井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明など実力派・個性派が揃い踏みとなっている。それぞれの個の人間性、事情、そこから生まれる大小のドラマが丁寧に描かれている。
「絶対に必要だなと思ったのは、加害者側。つまり福田村の住人たちの日常や喜怒哀楽をしっかりと描かないといけないということ。いきなり虐殺だけで映画にしてたらもうモンスターですよ。そうじゃないんだっていうことが一番言いたいので。ある条件が整えば普通の人でもこういうことをやっちゃうんだと。そのためにはできる限りの村の生活みたいなものはしっかり描こうという、これは脚本部とも共有する認識でした。」と森監督。

役者陣のこの映画に賭ける意気込みも、相当強かったと思わせるエピソードも。
森監督「俳優の皆さんが撮影地の京都に来る前に、野田市にある事件の慰霊碑に行って手を合わせてきたらしくて。そんなことはこちらからは全然要求していなかったし、その話も後から聞いて。だから、しっかり下調べもして臨んでくれたんです。あれだけ力量がある俳優が集まって、さらにそういう役作りをしてくれたら、それはもう完璧なものになりますよね。現場で僕がどうこう言う前に色々やってくれて、とても頼もしい存在でしたね。」

そしてこの時代は、まだまだ圧倒的に男性優位の時代。その中で物語は、女性の立場とともに女性の視点、言葉をしっかりと描いている。それがよりドラマティックな展開、叙情的なシーンを数多く作り出したとも言える。そしてテーマとなる「集団心理」にも、女性の持つ本能が見え隠れする。
森監督「この映画は女性をちゃんと描こうというのもありました。虐殺や戦争は男のものじゃないですか。女性はもう少し地に足が付いてるし、そういう時に抑止力にもなる存在だと僕は思っているので、そういう女性をしっかり描きたいと思って。でも史実を調べると、虐殺を引き起こす福田村の自警団には女性も結構いたらしいんです。多分それは子どもを守るという母性だと思うんです。みんな本当に怯えて「朝鮮人が来たら何されるか分かんない」みたいな心理状態。そうすると「じゃあ、私もしょうがない。竹槍持って行くか」となるんでしょう。それにしてもやはり男とはちょっと違う。そういうところはしっかり描きたいと思いました。」

物語のクライマックス、虐殺に至る経緯はこうだ。
日本統治下の朝鮮で教師をしていた澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)を連れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助(永山瑛太)率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。9月1日、関東大震災が発生。そんな中、東京ではデマが飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日、東京府下に施行された戒厳令は4日には福田村がある千葉にも拡大、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、人々は恐怖に浮足立つ。そして9月6日、行商団たちは福田村を訪れる。偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られてしまう大事件が起きる。

絶望的なクライマックスを迎え、途方に暮れる。人は歴史から学べないのか。ただ森監督は、そうではない、人間は学び変わっていけると言う。
森監督「なぜ群れるかというと弱いからなんです。不安と恐怖というのが一番この集団化を促進する大きな要素になる。これはもう昔からずっと繰り返して世界中でも起きていることだし、ただ、やっぱり知れば多少は変わりますよ。一番いい例を挙げれば、今のドイツかな。例えば、ウクライナに戦車を供与する時に、すごい国内で議論があったんですよね。ナチスという府の歴史を持ったドイツが随分変化しているわけです。それはやはり、彼らはなぜ自分たちはあの政党を支持したのかというのをずっと考えているからです。それは映画に置き換えても同じことが言えて。ナチスとかホロコーストの映画は世界中で作られている。アメリカでは黒人差別や暴動、ネイティブアメリカンへの虐殺をテーマにした映画もたくさん作られています。韓国でも光州事件をテーマにしたり。自分たちの負の歴史をエンタメという形にしながら、しっかりとみんなで記憶する。何も変わってないじゃんって言いたくなるけど、実は変わっているんです。その良くなる傾向を加速するうえでも、やっぱり歴史を知ることは大事だと思います。」
劇場公開は関東大震災から100年にあたる9月1日(金)より全国公開。お見逃しなく!
◎Interview&Text/福村明弘
9/1 FRIDAY 〜名古屋・シネマスコーレ ほかにて上映
映画『福田村事件』
(2023年製作/137分/日本)
監督:森達也
出演:井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明 ほか
企画:荒井晴彦 脚本:佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦 音楽:鈴木慶一
統括プロデューサー:小林三四郎 プロデューサー:井上淳一、片嶋一貴
配給:太秦 製作:「福田村事件」プロジェクト
公式サイト https://www.fukudamura1923.jp
©「福田村事件」プロジェクト2023
宇野昌麿や本田真凜ら豪華キャストによって 「ワンピース」が初めてアイスショーになる!と大いに話題を呼んだ「ONE PIECE ON ICE〜エピソード・オブ・アラバスタ〜」が、9月2日(土)・3日(日)、名古屋ドルフィンズアリーナにて開催。横浜公演の公開リハーサルをレポート!

全世界累計発行部数5億1000万部突破(2023年4月時点)、今も「週刊少年ジャンプ」に連載中の大人気マンガ「ワンピース」が、史上初のアイスショーになった。題材になったのは、ファンからの支持が高いエピソード「アラバスタ編」。海賊王を目指す主人公モンキー・D・ルフィを中心に、結成して間もない“麦わらの一味”が、王下七武海の1人であるサー・クロコダイル率いる秘密結社バロックワークスと死闘を繰り広げる壮大な冒険物語だ。
冒頭の、舞台となるアラバスタ王国の護衛隊副官ペルと、幼いビビが戯れるシーンから、ワンピースの世界観に惹き込まれる。その後、本田望結が演ずるナミ、織田信成が扮するウソップ、渡辺倫果のトニートニー・チョッパー、島田高志郎がクールに決めるサンジ、田中刑事が熱演するロロノア・ゾロ……と次々と麦わらの一味が登場し、氷上を駆け巡る。アラバスタ王国の王女で、物語の要となるネフェルタリ・ビビ役は本田真凜。そして、主人公ルフィに扮するのは、世界選手権2連覇の宇野昌磨。衣装もポップで豪華。ルフィにしか見えない宇野をはじめ、アニメからそのまま飛び出てきたかのように、皆、役になり切っていて、あっという間に、自分も一味と一緒にアラバスタ王国へ向かっているような気持ちになった。
大スクリーンに映し出される映像や氷上のプロジェクションマッピング、照明が効果的に用いられ、大きなスケートリンク全体が舞台というスケール感が、このアイスショーの醍醐味だ。リンクが近く、登場人物たちが氷上を飛び出して、客席まで突っ込んでくるのではと心配になるほど迫力がある。当たり前だがアイススケートなので、スピード感が半端ないのだ。ルフィと、無良崇人が演ずるサー・クロコダイルの激闘の迫力はもちろん、各登場人物が戦うシーンにもそれぞれ見せ場があり、見飽きない。本当にスケート靴を履いているの?と思うようなコミカルな動きはアニメそのもの。いや、ある意味、全方向から表現を観てもらえるアイスショーは、アニメと実写のいいとこ取りをして、ストーリーを臨場感たっぷりに展開できるエンターテインメントなんだとあらためて感じた。
スピンやジャンプ、疾走、戦闘シーン……広々としたリンクを大きく使った “氷上でしか表現できないワンピース”に思いっきり魅せられたのは、錚々たる出演者たちの確かなスケーティング技術があってこそ。本郷理華扮するMr.2ボン・クレーの高速回転に代表されるように、主要キャラクターそれぞれの個性が、スケーティングによって存分に表現されていた。アラバスタ王国軍や反乱軍を演じたアンサンブルメンバーの丁寧な役作りもいい。衣装の作り込みから振り付け、演出と細かいところまで抜かりなく、ワンピースの世界観にどっぷりハマってしまうさらに驚いたのは、演者たちが、TVアニメと同じ声優たちの声に合わせて実際にセリフを口ずさんでいたことだ。リハーサル後のインタビューで本田望結が明かしてくれたのだが、ある日、振付師さんから(セリフを言いながらでも)できるかもねと提案されると、次の日にはもう、宇野昌磨が完璧にセリフを入れて練習に臨んでいたのだそうだ。「それを見て“ビビッ”と来まして……(笑)。
宇野さんが皆を引っ張ってくれて、本当にルフィのようでかっこいい」と称賛。宇野も「裏方も演者も全員が全力を出し切っていて、素晴らしいものになるという確信がある」と自信をのぞかせていた。最後に私が“ビビッ”ときたのは、ビビに近づくために、寝る前、アニメの「アラバスタ編」を1回観るというルーティンを教えてくれた本田真凜のコメントだ。「アニメやマンガでは映されていないビビも、氷上では皆さんから見えているので、そういう時のビビの表情や気持ちもつねに考えています」。アイスショーで観るワンピースの魅力の秘密は、こんなところにもあるのだろう。
◎Text/矢本祥子

9/2SATURDAY・3SUNDAY 【チケット発売中】
「ONE PIECE ON ICE〜エピソード・オブ・アラバスタ〜」
■会場/ドルフィンズアリーナ(愛知体育館)
■開演/12:00 17:00
■料金(税込)/プレミアムシート1列目¥32,000※オリジナルグッズ付き プレミアムシート2列目¥30,000※オリジナルグッズ付き 共に残りわずか!
アリーナ席¥26,000 S席¥24,000 A席¥16,000 B席¥10,000
■お問合せ/名古屋公演事務局 TEL 090-5332-3613(平日11:00~17:00)
■公式サイト/
名古屋クラブクアトロが企画する「1 対 1」をテーマにした対バンイベント"ISOLATION"が 2023 年 8 月 20 日 (日)に同会場にて開催!!

名古屋クラブクアトロが企画する対バンイベント" ISOLATION "。タイトルのアイソレーションが意味するのはバスケットボ ール用語。特定のプレーヤーを、意図的に 1 人にして 1 対 1 の状況を作り出す攻撃戦術を指す。 音楽シーンで最も「アイソレーション」して欲しいア ーティストを迎えて、開催する対バンシリーズがこの企画の意図するところだ。第 1 回目の今回は、奈良を拠点に地元密着型で音楽を発信し続ける孤高のロックバンド 「LOSTAGE」。そして奇才・柳瀬二郎が率いる、確固たる表現と圧倒的な怪演で国内外から熱視線を集める「betcover!!」 の 2 組が出演。
LOSTAGEは2001年秋に五味岳久、拓人の兄弟を中心に奈良県で結成。2007年にメジャーデビューを果たし、現在は3ピースロックバンドとして活動。フロントマンの五味岳久は、2012年に自ら立ち上げたレーベル&中古レコードショップ「THROAT RECORDS」のオーナーでもあり、音楽することと生活することを自ら体現しながら活動を続けている。なお最新アルバム「PILGRIM」は現在のところ、LOSTAGEライブ会場とTHROAT RECORDS店頭・居酒屋kore kara店頭・音楽スタジオE♭店頭のみでの販売。サブスク配信やディスクの一般流通は行わないとのこと。
対するbedcover!!は今、最も注目すべきアーティスト・柳瀬二郎によるソロプロジェクトだが、現在は5人編成のバンド形態へと拡張。2019年7月24日に1stアルバム『中学生』でメジャーデビューするものの、2021年にはインディーズでの活動にシフトしている。ソングライティングはというと、歌謡曲、フォーク、ソウルからロック、ダブまで広がる多彩な音楽性に、メランコリックで時に不気味な歌詞の世界観が相成っている。最近では石橋英子とも共演するなど、話題に事欠かない。
毛色の全く違う2つのバンドが織りなすそれぞれの世界観。その凄まじさを是非ライヴ空間で味わってほしい!
8/20 SUNDAY【チケット発売中】
NAGOYA CLUB QUATTRO presents"ISOLATION"
LOSTAGE×betcover!!
◼️会場/名古屋クラブクアトロ
◼️開演/18:00
◼️料金(税込)前売 ¥3,800 前売U-20 ¥2,500 *スタンディング/整理番号付
◼️お問合せ/名古屋クラブクアトロ TEL>052-264-8212
全ての常識を飛び超える、革新的ファッションデザイナー ジャンポール・ゴルチエの人生が、史上初のランウェイ・ミュージカルになった『ジャンポール・ゴルチエ ファッション・フリーク・ショー』が、大好評だった東京公演に引き続き、大阪フェスティバルホールで6月7日(水)~6月11日(日)まで公演中。

存在自体がスキャンダラスでPOPな、愛すべき怪物である、彼の集大成とも言えるフリーク(怪物)ショー大阪公演初日に駆けつけた。多くのミュージカル公演が二幕制であるように、本公演も途中で休憩の入る二幕構成。ファッションデザイナーを目指すきっかけになった、大好きなおばあちゃんにもらった、熊のぬいぐるみナナちゃんの手術シーン映像から始まる一幕目は、お茶目な問題児だった幼少期から、一生涯の恋人との出会いを経て、初期衝動に溢れた彼のパンク・スピリットを感じる初期のランウェイ・ショーを再現。パリの伝説的ダンスクラブ"パレス"から始まる二幕目は、恋人との死別を乗り越え、マドンナとのコラボレーションを始め、伝説的ランウェイ・ショーの再現大連発を経て、感動のフィナーレに。演出面では、ゴルチエの衣装を纏った、客席まで飛び出してくるダンサー達の名演と共に、ステージを縦横無尽に移動する、縦長の巨大LEDパネルを贅沢に使用した映像効果が、自伝映画を観ているようなクオリティのドラマとランウェイの華やかさを演出。カトリーヌ・ドヌーブやロッキー・ホラー・ショーまで飛び出す、使用される映像や音楽も、正に"ゴルチエの脳内"ともいえる怪物揃い。
ダフト・パンクとの競作も有名なナイル・ロジャース等、基本的にはノリのイイ、ファンキーなダンスミュージックが多いのですが、印象に残ったのは、マリリン・マンソンによるカバー曲とユーリズミックスのオリジナル曲が連続で鳴る"スウィート・ドリームス(アー・メイド・オブ・ディス)"。とにかく派手で、きらびやかなイメージのある、ゴルチエの表現の裏にあるダークさを象徴していて興味深かった。常識の境界を破壊する、スキャンダラスな表現を今も続けるマドンナとのコラボレーションや、当時アンダーグラウンドカルチャーで流行りつつあった、ラバーを使ったSM拘束着"ボンデージ・ファッション"をいち早く取り入れたり、常に世の裏側に潜む、爪はじきな"怪物"を創作の中心に置いてきたゴルチエ。今だったら炎上して世間に潰されそうな際どい表現なのですが、案外社会問題に発展するようなスキャンダルはほぼ無い。昭和というおおらかな時代背景もあるのでしょうが、幼少期のお茶目さがそのまま大人になったような、造った砂のお城を、無邪気に笑いながら破壊するチャーミングさが彼の表現のキモだったのでは?と思わす、オモチャ箱をひっくり返したようなランウェイ・ミュージカルだった。やっぱり怪物でいい、常識なんて全然面白く無いから。
◎Text/UE神
Jean Paul GAULTIER’S FASHION FREAK SHOW
6/7WEDNESDAY~6/11SUNDAY
■会場/大阪フェスティバルホール
■料金(税込)/VIP(特典付き) ¥28,000円 S ¥12,000円 A ¥7,000円
※一部チケット完売
※性的な描写を含むシーンがございます。
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
■お問合せ/キョードーインフォメーション TEL 0570-200-8888(10:00~18:00)
ジャンポール・ゴルチエ ファッション・フリーク・ショー
https://fashionfreakshow.jp/
