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『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』など、奇想天外な展開の作品を撮り続けてきた園子温監督。そんな園監督がついにハリウッドに進出した。この映画「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」はニコラス・ケイジを主演に、時代劇やマカロニ・ウェスタンの要素をふんだんに盛り込んだ色彩豊かな作品に仕上がった。今回は園監督への会見の様子をQ&Aでレポートする。



Q:アメリカから送られてきた脚本を最初に読んだ時の印象は?
園子温監督(以下、園監督)「最初に読んだ時は、面白いというか、製作費がめちゃくちゃかかりそうな内容だなと思いました。でも最初から何でもいいから受けようと思ってたんです。僕は、『愛のむきだし』の映画を作る前から、15年間くらいアメリカに対してプロモーションを仕掛けてました。ハリウッドに出向いて、その筋の関係者に「ハリウッド映画を撮らしてくれ!」と、いろんな会社に掛け合ってたんです。なかなかうまくいかず、トライ&エラーを繰り返してるうちに時間がかかってしまいました。ラブロマンスからアクションからホラーまで、いろんな企画を立ち上げ、うまくいきそうなものもあったけど、結局映画化まではいかなかったんです。この脚本が3年前に送られてきた時、早くハリウッドデビューしたいという想いが強かったので、読む前から基本OKだったんです。何が何でもOKというところから出発した映画です」

Q:プロデューサーからの制約、リクエストはあったのですか?
園監督「プロデューサーからの要望はそんなにたくさんなかったです。クランクインまでに自分なりの色も出せると思っていたし、脚色してリライトも可能だと思ってました。案の上、紆余曲折ありまして、元々の脚本から75%くらいはオリジナルな脚本に仕上げることができました。例えば、坂口拓が演じたキャラクターは、元々の脚本にはなかったんですけど、僕が付け加えたり、いろいろな要素を足し引きしながら変化させていきました。ある程度の許容がプロデュサーにあったので助かりました」


園子温監督

Q:ハリウッド映画でも園イズムをバンバン感じました!
園監督「若い頃にハリウッドデビューしていれば、憧れのハリウッドでもあったし、優等生を目指したかもしれないんですけど、僕もキャリアを重ねながら変化してきたんです。『スカーフェイス』のアル・パチーノみたいに『ハリウッドで成り上がるぜ!』みたいなノリも昔はあったんですけど、そいいうものが全部削ぎ落とされて今に至るので、結局は15年かけてハリウッドデビューと言っても、やってることはいつもといっしょだったんです。あんまり、気取りもせず、馴染もうともせず、僕のいつもの映画の延長線上にある作品に仕上がったと思います」

Q:ニコラス・ケイジさんの役者として魅力は?
園監督「映画プロジェクトがスタートして、1年ぐらいしてからニコラス・ケイジが主演に決まったんですが、なぜニコラス・ケイジなのか?僕自身も謎でした。そんなタイミングでニコラスが来日し、東京で会うことになったんです。その時にニコラスから『前から園監督のファンで『アンチ・ポルノ』を観た時に号泣し、『ノリコの食卓』を観た時は本当に感動した』と言ってくれたんです。すごいマニアックな意見だなと思って、この男は信用できるって思いました。彼は、現場では22歳ぐらいの若手俳優ぐらいに謙虚で、日本でもこんなに謙虚な俳優はあんまり見たことないです。最初に会った時も、1人でぶらっと来て、安い居酒屋で「安いね!」って言いながら飲んでましたから。現場でもスター然とすることなく、ごく普通に監督に言われた通り演じてくれる従順な役者さんでした。とてもやりやすかったです」


Q:ヒロインのソフィア・ブテラさんのアクションも良かったです!
園監督「彼女のキャスティングも謎だったんですけど、あとから聞いたら、直前までギャスパー・ノエの『CLIMAX』に出演していたらしく、その現場に台本が 届いて相談したら、ギャスパー・ノエから『園子温監督の作品なら出演した方がいいだろ!』っ言ってくれたらしく、その一声で出演を承諾したそうです。彼女のアクションは素晴らしかったですね!拓も驚いてました。キレが全然違って、キックの足もすごい上がって、見た目も迫力も満点でした。ソフィアはすごく情熱的な女優です。生まれ育ったアルジェリアでダンサーをやっていたから、女優というより、しなやかで強さがあり、彼女の人生が垣間見える生命力を感じさせてくれるカッコいい女性でした。本当、ギャスパー・ノエに感謝です」


Q:今後のハリウッド作品の予定は?
園監督「次からはアメリカで撮りますよ!来年には2作目、3作目を予定しています。僕にとっては、次からオリジナル脚本で撮れるというのが一番大きいですね。ここからが勝負!ハリウッドでは新人なので、ここから僕が上がっていかなきゃいけないんです。今後はハリウッド映画のフィールドで頑張りますが、愛知のことも忘れず頑張りたいと思っています。応援よろしくお願いします」

◎Interview&Text/川本朗(リパブリック)

10/8 FRIDAY〜【名古屋・伏見ミリオン座 他全国ロードショー】
映画「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」
■監督:園子温
■脚本:アロン・ヘンドリー レザ・シクソ・サファイ
■出演:ニコラス・ケイジ ソフィア・ブテラ ビル・モーズリー ニック・カサヴェテス
■音楽:ジョセフ・トラパニーズ
■配給:ビターズ・エンド


ガブリエル・レンジ監督による若き日のデヴィッド・ボウイを描いた映画「スターダスト」が公開中である。今作品はボウイがジギー・スターダストとしてカリスマ的存在となる直前を描いた物語。アーティストとしてのアイデンティティを確立する過程、兄・テリーとの関わりなど今まであまり注目されなかった内容にスポットを当てている。今回はライターで翻訳家でもある野中モモさんにこの映画の見どころを話して頂いた。野中さんはデヴィッド・ボウイに関する著作もある他、2017年に日本でも開催された大回顧展「DAVID BOWIE IS」の公式図録の翻訳も手掛けている。


1969年に「スペース・オディティ」がヒットしたデヴィッド・ボウイは、この頃程なく入籍するアンジェラ・バーネット(ジェナ・マローン)と出会い、ロンドン大邸宅を集合住宅に改装した「ハドンホール」にバンドメンバーと共に移り住んでいた。そんな中制作されたアルバム「世界を売った男」(1970)を、なんとか売り込もうとアメリカへプロモーション・ツアーに出かける。1971年、このアメリカでの出来事が物語の軸となっている。「世界を売った男」は90年台以降に再評価されたものの、当時は決してヒットしたとは言えない作品。ボウイは「スペース・オディティ」が少し売れただけの「一発屋」として見られていた。
野中:私は「ジギー・スターダスト」以前、初期のデヴィッド・ボウイがすごく面白いと思っているんです。ファーストアルバム「デヴィッド・ボウイ」(1967)なども演劇的な要素が盛り込まれていて、後世に影響を与えている重要な作品なんです。ただこのアルバムも、泣かず飛ばずだったという見方をされることがほとんどなので、今回の映画をきっかけに再評価されるといいなと思っています。


物語はサクセスストーリーとは程遠い「トホホなロードームービー」と言っていい内容。だからこそ、ロック・スターであるデヴィッド・ボウイの人間臭い面が垣間見られる作品となっている。プロモーション・ツアーでボウイ(ジョニー・フリン)はひとりでアメリカの空港に辿り着く。入管では、観光ビザのためにライブ演奏はできないと言われてしまい、いきなり出鼻をくじかれる。迎えにきたのは、当時所属していたマーキュリー・レコードのパブリシストであるロン・オバーマン(マーク・マロン)。その日はホテルが用意されておらず、ロンの実家に泊まり食事も家族と共にする。この辺りのボウイが感じたであろう息苦しさもスクリーンから顕著に伝わってくる。
野中:まだ駆け出しのアーティストが、成功を目指してもがいている青春映画。そして1970年台という時代の空気、半世紀前のエンターテイメントの世界。まだいかがわしいというか、きちんと管理されて情報がすぐ行き渡る現在とは、全く違った時代の空気を感じることができるのも魅力ではないかなと思います。


ボウイはロンと二人で、ギターを手に車でプロモーションにあちこち出かける。インタビューでは上手く自分を表現できず、バーや身内のパーティーで歌っても誰も耳を貸さない。しかしこのいくつかの出来事は、まだ世間がボウイの魅力に気付いていないのと同時に、ボウイ自身もアーティストとしての方向性を確立していないことを思い知る機会にもなった。ロンはその足掛かりを2つボウイに渡す。ひとつはレジェンダリー・スターダスト・カウボーイというミュージシャのシングル・レコードを薦めたこと。もうひとつは、当時ザ・ストゥージズとして人気を誇ったイギー・ポップの存在を語ったことだ。映画ではイギー・ポップの他、ルー・リードやアンディ・ウォーホルとの関わりも盛り込まれている。
野中:私はイギー・ポップの話をするシーンが好きです。車に乗って、アメリカの田舎を車で旅をしながら「なんかすげえやつがいるんだ」と。そういう何か人のやることが他の人に影響を与えたり、ちっちゃな善意に救われたり、通じ合うことで手応えを感じて次に進んでいくという、こういう姿は自分に照らし合わせて考えられる方もいるのではないかと思いました。
「ジギー・スターダスト」の名前は、このイギー・ポップの名前(IGGY)とレジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来であると言われている。


またこの作品では、兄・テリーとの関わりが丁寧に描かれている。音楽を教えてくれた大好きな兄は、統合失調症を煩い病院に入院することとなる。兄を心配すると同時に、自分もいつか発症するのではないかという恐れを抱く。
監督・脚本のガブリエル・レンジは「彼の初めての渡米に関してはあまり記録が残っていない。ある意味、最悪の旅だった。自分の曲を宣伝しにきたにも関わらず、ビザも、音楽家ユニオンの書類もなかったため、彼は目的の曲の演奏が許されなかった。代わりに彼は、別人格であるジギー・スターダストを創り上げるための幾つかのアイデアを発見した。デヴィッドが悩んだ末にたどり着いた、狂気を安全に経験する方法がジギーなのかもしれない。多重人格障害が発症する前に、多重人格を作り上げてしまう手法なのかもしれない。それは、世界的な有名ロックスターになるという妄想を現実へと変えてしまった。」と述べている。
物語はボウイが開眼し、バンドメンバーを説得して「ジギー・スターダスト」を作り上げようとするところで幕を下ろす。それ以降は世界が知るデヴィッド・ボウイとなるから描く必要はないと、そう言わんばかりの映画である。

◎Interview&Text/福村明弘

10/8 FRIDAY〜【名古屋・伏見ミリオン座 他、全国ロードショー】
映画「スターダスト」
■監督/ガブリエル・レンジ
■脚本/クリストファー・ベル
■出演/ジョニー・フリン、ジェナ・マローン、マーク・マロン
■配給/リージェンツ


2021年09月16日 <インタビューORANGE RANGE>

ポップでダンサブルな楽曲の数々で夏を彩ってきてくれたORANGE RANGE。しかしこのコロナ禍によって出演予定だった多くのフェスやライブが次々に中止となった。この苦しかった2年間のこと、そしてテレビアニメへの楽曲提供など、新たな一面について、フロントマンHIROKIさんへインタビュー。
結成20周年を迎えたORANGE RANGEの今、そして秋に始動する全国ツアーについて聞いた。

この秋放送開始となるタツノコプロ原作のテレビアニメ「MUTEKING THE Dancing HERO」のオープニングテーマに「ラビリンス」が起用されるORANGE RANGE。ダンサブルでポップなイメージに一新された新生MUTEKINGの誕生に華を添えた。またバンド結成20周年という節目を迎える今年、さまざまなジャンルを開拓し続けるORANGE RANGEの現在、過去、未来をフロントマンHIROKIさんに伺った。

―今回のMUTEKING THE Dancing HEROのオープニングを手掛けられた経緯を教えてください。
HIROKI:お話を頂いてから結構いろんなやりとりをしました。まずこの作品の最初のシリーズは僕らの世代とは少し上でしたから、初期のシリーズを観て、今回リメイクされる作品も完成間近の何話かは見せていただくことから始まりました。そこから監督やプロデューサーと意見交換しながら作り上げていった感じですね。

―結成20周年となるエポックなタイミングに、このコロナ禍という試練が世間を襲いましたがメンバーの方々はこの2年をどう過ごされていたんですか?
HIROKI:最初の頃はこのコロナ禍によって出演予定だったロックフェスやライブのすべてがキャンセルになってしまって相当戸惑いました、バンド自体もすごくいい感じになって来ていたところだったので相次ぐライブのキャンセルは残念でした。でもそんなに長くは続かないだろうと思ってはいたんですが、さすがに長期化が見えた頃から開き直って楽曲制作に没頭しようと意識を変えました。

―そんな中でのアニメ番組への楽曲提供という流れになったのですか?
HIROKI:なかなか会えない状態が続いたメンバーとはリモートでやりとりしたりして作っていきました。一堂に会すという事が無理だったんで、リモートで話し合ったり、データのやりとりをしながら、相当たくさんの曲が出来上がりました。そんな中からアニメのお話を頂けたので楽曲の仕上げに関しては問題なかったですね。


―ORANGE RANGEのフロントマンとして、この20年を振り返ってみて何を感じておられますか?
HIROKI:曲を作れるメンバーが多いので、曲のアイデアを持ってるメンバーがまず中心になってみんなに提示して、そこに他のメンバーがアイデアを色々足していくというスタイルはずっと変わりません。20年もやっていますから、もうお互いの距離感も理解しあっていて、今すごく良い環境だと思います。

―デビュー当初からバンドのサウンドメイクの方向性に何か変化はありましたか?
HIROKI:シンプルな構成の楽曲が増えたように思います。足し算でなく引き算で深めていくような感じ。デビュー当時はとにかく勢い重視って感じだけでしたからね(笑)

―結成20周年ですが、そのずっと前からメンバーとは幼なじみだったわけですよね。こうしてバンドを続けてこられて関係性に変化とかはありました?
HIROKI:出会ってからはもう35年ですよ。保育園の頃から一緒ってメンバーもいますし、もうバンド以上の歴史があります。とにかくバンドをやろうって始めちゃいましたが、
当初はこんなに続くとは思わなかったですね。それがプロの世界に入ってみて、最初は幼なじみとバンドメンバーというふたつの関係性をうまく両立出来なかった時もあったんですが、20年もやってると、なんか一周して、また子供の頃のような関係になって戻っちゃった感じです。

―20周年を迎えた全国ツアーはどんな内容になるのか少し教えてもらえますか?
HIROKI:僕らにとってライブはいちばん重要なことだと思っています。20年という時を経て二世代で来ていただけるお客さんも増えてきているし、僕たちの今だからこそという内容になればいいなと思っています。このコロナで何もできなかった時間を無駄にしたくないですね。実はRYOが鍵盤をストイックに練習していて、けっこう形になってきているんです。ライブではそんな努力家RYOの鍵盤プレイも披露できると思います。コロナ禍のこんな時代だからって感じには絶対にしたくない。ORANGE RANGEならではの空間を創れたらと思っています。

―今後、30周年に向けてORANGE RANGEはどんな進化を遂げていくのでしょうか?
HIROKI:その時代、時代に乗っかりながら、良い意味での“芯がない感覚”でずっとやっていけたらと思っています。楽曲の作り方も年相応にもっと丁寧になっていくだろうし、自分たちにとっても未来が楽しみですね。新しい作品に向けての楽曲もこのコロナ禍でたくさん出来上がっていますから、そちらにも期待してください。
取材・文=石原卓



20th Anniversary ORANGE RANGE LIVE TOUR 021
〜奇想天外摩訶不思議〜
https://orangerange.com/tour021/


2021/10/01 (金)
■会場/Zepp Osaka Bayside
■開演/18:30
■料金(税込)/全席指定 ¥5,800
■お問合せ/キョードーインフォメーション TEL.0570-200-888(平日・土曜11:00~16:00)

2021/10/03 (日)
■会場/南海浪切ホール
■開演/18:00
■料金(税込)/全席指定 ¥5,800
■お問合せ/浪切チケットカウンター TEL.072-439-4915

ORANGE RANGE
「HEALTH」
2021.06.30 DELIVERY
※「HEALTH UP PROJECT supported by TANITA」キャンペーンソング

主要配信サイトおよび各サブスクリプションサービスで配信
https://jvcmusic.lnk.to/HEALTH


ORANGE RANGE – HEALTH(MUSIC VIDEO)
https://youtu.be/vwD2Qf6kqG8

「HEALTH」特設サイト
https://orangerange.com/health/


Presentation licensed by Disney Concerts. ©Disney


ディズニー・アニメーションや映画・テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像とともに、オーケストラと歌のパフォーマンスでお贈りする「ディズニー・オン・クラシック」。今年は、2018年公開のディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』を全編フィーチャーして、関西でも公演が開催されます。ナビゲーターを務めるのは、ラジオDJやナレーターで活躍するささきフランチェスコさん。本公演のみどころなどをお伺いしました。

―長く愛されている「ディズニー・オン・クラシック」今年のテーマは?
「今年で19回目を迎える「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2021」のテーマは、「Music Forever 〜永遠に続く“愛”」です。このような状況の世の中なので、皆様の心を豊かに、また勇気を持って前に進めるように、マイナスな要素は無くポジティブに!家族の絆、人との繋がりの大切を伝えられたらと思っています。」

―見どころはどんなところでしょうか?
「『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」、『美女と野獣』より「時は永遠に」、ミュージカル版『アラジン』より「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」などアラン・メンケンが作曲した楽曲を日本人ヴォーカリストが日本語で歌います。とてもわかりやすい演奏で、それぞれの純粋な気持ちが伝わるかと思います。なかでも「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」は、お客さまからのリクエストが多かった楽曲なんです。」

―ナビゲーターとしてお客さまから感じることは?
「お越しいただくお客さまの笑顔に会えるのが喜びであり、楽しみです。“扉を開けると夢と魔法の世界に足を踏み入れる” それを大前提に考えています。ご来場くださる皆さまが感動して、そして私たちは音楽で気持ちをバックアップしたい。公演後、日常の力になる事は本公演のチームの願いで、皆さまにそう感じて頂けると嬉しいです。」


『パイレーツ・オブ・カリビアン』  フィルム∞コンサートでのナビゲーターも人気のささきフランチェスコさん

―関西での「ディズニー・オン・クラシック」の思い出は?
「生中継がはじめて入ったのは、2013年大阪のフェスティバルホールでしたね。特に大阪のお客さまは、楽しむパワーがすごくて、ステージにも伝わってきます。また「ディズニー・オン・クラシック」で、ステージ上の自分にお客さまから、つっこみが入るなんて夢にも思っていませんでしたね(笑)」。

―ご来場される皆さまへメッセージ
「素晴らしいオーケストラから、いろんな影響を吸収してもらいたいです。本物に出会うことで、人を信じることや愛を感じて欲しいですね。私自身もお客さまに一番近い存在として、感動を共有したいです。」


Presentation licensed by Disney Concerts. ©Disney


陽気でカラフルな<死者の国>を舞台に、音楽でつながる“家族の絆”を描いたディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』を、「ディズニー・オン・クラシック」で初めて全編をフィーチャーします。その他、『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」、実写版『美女と野獣』より「時は永遠に」、ブロードウェイ・ミュージカル版『アラジン』より「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」など、心にしみる楽曲をはじめ、「ディズニー ミュージックパレード・ゲームテーマソング」やフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート エプコットでのパレードより「タペストリー・オブ・ネーション」といった心踊る楽曲など、音楽の力を感じるプログラムを、オーケストラ・ジャパンと日本人ヴォーカリストの生演奏で観客を魅了します。

取材・文=紅粉チコ


ディズニー・オン・クラシック
まほうの夜の音楽会 2021
「Music Forever ~永遠に続く“愛”」

~公演スケジュール~
■10月8日(金)、9日(土)愛知県芸術劇場 大ホール
■10月15日(金)神戸国際会館 こくさいホール
■10月20日(水)フェスティバルホール
■12月11日(土)愛知県芸術劇場 大ホール
■12月18日(土)フェスティバルホール


ミステリアス&ダーク・スペシャル
プログラムの一部を、個性豊かな悪役やスリリングなテーマパークの音楽にフォーカスしたスペシャルプログラム!
■10月10日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
■10月16日(土)フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール 大ホール)
■10月21日(木)フェスティバルホール

クリスマス・スペシャル
プログラムの一部を、クリスマスシーズンをお祝いする楽曲で構成されたスペシャルプログラム!
■12月12日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
■12月19日(日)フェスティバルホール
■12月25日(土)アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター 大ホール)

ファイナル・コンサート
約3ヶ月のツアーを締めくくる特別なセレモニーで、フィナーレをお祝いしましょう!
■12月24日(金)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
■12月25日(土)アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター 大ホール)

■チケット情報
https://www.harmonyjapan.com/doc2021/schedule_kinki.html
■「ディズニー・オン・クラシック」 オフィシャルサイト
https://www.harmonyjapan.com/doc2021/
■お問い合わせ:ハーモニージャパン/Disney on CLASSIC事務局
https://www.harmonyjapan.com/contact または 03-3409-3345 (平日10:00~18:00)


濱口竜介監督の商業長編映画第2作目となる映画「ドライブ・マイ・カー」が明日から全国ロードショーで公開される。今作は第74回カンヌ国際映画祭で、日本映画としては初受賞となるコンペティション部門の脚本賞のほか、独立賞に当たる国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞を受賞した。濱口竜介監督の合同取材をレポートします。


映画「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹による短編小説を原作とする物語。舞台俳優で演出家の主人公・家福(かふく)は妻の音(おと)と満ち足りた生活を送っていたが、音がある秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。その2年後、広島での演劇祭に愛車のサーブ900で向かった家福は寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。喪失感と残された秘密に苛まれながら、みさきと過ごす中でそれらに向き合っていくさまが描かれる。映画には、村上による短編集「女のいない男たち」所収の「ドライブ・マイ・カー」に加え、同短編集に収録された「シェエラザード」「木野」の内容も投影されているが、それに加え「ゴドーを待ちながら」「ワーニャ伯父さん」という2つの演劇作品の要素も取り入れている。特に「ワーニャ伯父さん」は原作と同レベルと言っていいほどに映画の中で重要な役割を担っている。

濱口:原作の短編小説「ドライブ・マイ・カー」は起承転結の転で終わっているようなところがあるので、長編の映画ではどういった結末を迎えるのかと考えた時に、村上さんの長編作品に多く描かれるようなある種の希望まで辿り着きたいと思ったんです。その導き手をチェーホフの「ワーニャ伯父さん」が担いました。原作にも「ワーニャ伯父さん」は登場し、ワーニャを家福が演じ、みさきが自分の境遇をソーニャに重ね合わせるという記述があります。原作での扱いは決して大きくはないのですが、村上さんは明らかに家福とみさきの関係性をワーニャとソーニャの関係性に類似させています。それであるならこの映画は、家福がワーニャを演じられるようになるまでの物語としようと思ったんです。


映画では、広島の演劇祭で「ワーニャ伯父さん」を上演するためのオーディションから本読み、稽古、本番までの様子が描かれている。随所にそのセリフは発せられ、映画の本編と「ワーニャ伯父さん」の物語が交錯し溶け合っていくような感覚さえ覚える。

濱口:特にチェーホフの言葉の力というのは非常に強い。人が心の底のほうで思っていることを言葉にしていると思うんです。それは舞台上だからリアリティを得ることが可能になるのですが、そういう言葉を口にした時、または耳にした時に役者の体に起きる変化というのは非常に強いものだと感じました。

そして物語はまるで対話劇を見ているように進んでゆく。対話によって物語が進められ、人物の心理を描き、お互いの気持ちの邂逅がもたらされる。この対話がもたらす作用について濱口監督は、

濱口:2つあります。物語は、主人公の家福が終始自分の感情をしまい込んでいる状態で進んでゆくわけですが、そのしまい込む過程であったり、一方で感情を隠せなくなって表に出てゆく様子を対話によって表現しています。この様子は彼一人がいる状態では、少なくとも映像には定着することはできない。対話においては、誰かに何かを言うことを躊躇うにせよ、その「躊躇う」という行為が映像には映り、観客の皆さんにも伝わるわけです。もうひとつは演出に関わることです。私の今までの経験上、演技の中で対話をすることで、その現場で役者さん同士の相互反応というのが起きやすくなると感じています。役柄としても役者自身としても言葉を通じてお互いに触発し合うわけで、その両面の現象が映画の中に生きているんだと思います。


その対話を織りなすキャストは主人公・家福に西島秀俊、家福の妻・音に霧島れいか、ドライバーのみさきに三浦透子、キーパーソンとなる高槻に岡田将生という実力と人気を備えた俳優陣。そして海外からのキャストが劇中の多言語劇「ワーニャ伯父さん」を展開する。大部分の撮影を行なった広島、みさきの実家の跡地として登場する北海道などの印象的な風景や、映画を彩る石橋英子の音楽にも注目したい。


そして濱口監督といえばその学歴も注目される。東京大学文学部を卒業後、映画の助監督やT V番組のADを務めた後、東京藝術大学大学院で当時新設された映像研究科の2期生として入学している。

濱口:助監督とA Dの仕事についていうと、自分に本当に能力がなかった。当時の先輩方には申し訳ない気持ちが多々ありますが、全く気が利かなかったんです笑。でも、(映画を)作るということを諦められなかったので、東京藝大の大学院が国立で初めて映画製作の教育機関を設けるということで、「これが最後の蜘蛛の糸」と思って受験し、1浪しましたが入学できました。

と、この時ばかりはほころんだ表情を見せてくれた。映画「ドライブ・マイ・カー」は8/20(金)より名古屋・伏見ミリオン座をはじめ、全国ロードショー公開。

◎Interview&Text/福村明弘

8/20 FRIDAY〜【名古屋・伏見ミリオン座 他、全国ロードショー】
映画「ドライブ・マイ・カー」
■監督/濱口竜介
■脚本/濱口竜介、大江崇允
■出演/西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 岡田将生
■原作/村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」 (短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
■配給/ビターズ・エンド (C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会