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先日は愛知県芸術劇場で、津軽三味線奏者の上妻宏光さんの取材。

一見は無口で、もしかしたらちょっとコワイ人かと思いきや、非常に誠実でジェントルな大人の男性。そして取材の第一印象は、上妻さんほど津軽三味線を愛している人はいないんじゃないか、ということ。様々なミュージシャンとのコラボレーションやご自身も作曲をすることもあり、上妻さんは津軽三味線奏者の中で“異端“と呼ばれることもある。しかし実際に上妻さんの曲を聴くと、奇をてらうわけでもなく、頑なに津軽三味線の良さを伝えようという姿勢ばかりが伝わってくる。つまりそれは、津軽三味線への敬意に他ならない。その良さを伝えるには、コンサートやCDによって多くの人の耳に留まることも大切。様々なコラボレーションによって、音色や楽器そのものの比較もされることだろう。結果、上妻さんは津軽三味線の認知度や普及に多大な貢献をすることになる。
そんな矛盾がありながらも、上妻さんのスタンスは微動だにしない。

実直で不器用なホンモノの男、取材の終わりには上妻さんの印象がそんな風に変わっていた。

上妻宏光さんのインタビューは、MEG11月発行号に掲載します。

<公演情報>
’13 3/31 SUNDAY
「上妻宏光 Concert Tour 2013 楔-KUSABI-」
■会場/愛知県産業労働センター 大ホール (ウインクあいち)
■開演/16:00
■料金/¥6,000(全席指定、税込)
■お問い合せ/キョードー東海 TEL052-972-7466

(FUKUMURA)



9/15(土) 岐阜県可児市の可児市文化創造センター(通称:ala)で行われた「森山威男ジャズナイト2012」にお邪魔しました。ala開館以来、毎年9月の恒例となっているこのコンサートには、可児市のファンはもちろん、全国からファンが集まってきます。今年も九州からいらっしゃった熱狂的なファンがいらっしゃったようです。

森山さんといえば「山下洋輔トリオ」。’70年代の初めにはトリオでヨーロッパツアーも敢行し、大反響を呼びました。昨年MEGに掲載したインタビューにもありますが、東京芸大在学中、自分の進む道に迷った時に出会ったのが山下さん。山下さんの “とにかく思いっ切りドラムを叩けばいいんだ!” との言葉に、ジャズに生きる道を見つけたとのことです。そのスタイルは今もなお健在、というかバリバリの現役! 9人編成のバンドの中で一番働いておられました。森山さんのドラムは、リズムを刻むというよりも各楽器との「会話」を重視しているよう。相手からの「言葉」を森山さんは常に倍返しで応える。このやり取りがたまらない。

何よりも森山さんが生き生きと嬉しそうにドラムを叩く姿が、実に爽快でした。
ちなみに出演者は以下の通り。日本を代表するプレイヤー達とのバトルを堪能しました。

【森山威男ジャズナイト2012 出演者】 
森山威男(ds) 岡崎好朗(tp) 中路英明(tb) 渡辺ファイアー(as) 川嶋哲郎(ts) 
田中邦和(bs) 佐藤芳明(acc) 田中信正(p) 加藤真一(b)

(FUKUMURA)


2012年09月18日 NANTA記者懇親会


9月13日(木)、NANTA名古屋公演<11/9(金)〜11(日)>の記者懇親会がありました。

世界で740万人もの観客動員を誇る、韓国発のノンバーバル(台詞を用いない)・パフォーマンス「NANTA」。その唯一の外国人キャストとして活躍する岩本柚香さんが、舞台衣装で登場しました。大学時代、家族と一緒に訪れた韓国でたまたま「NANTA」の公演を見て「ビビッときた」という岩本さん。その後、単身、韓国に渡り、オーディションで現在のポジションを勝ち取ったそうです。「好き」という気持ちって、何よりも強い。いろいろなジャンルのプロフェッショナルたちにお話を伺って、いつも感じることです。それにしても、海外のショービズ界を生き抜いているって、凄い!明朗快活な受け答えからも、その誇りと自信が感じられるようでした。

記者懇親会後に開かれた、一般の方を招いてのトークショーも拝見しました。観客の中には、岩本さんの高校時代からの親友やお母様の姿も。岩本さんは、地元愛知・蟹江町の出身なのです。そして、「NANTA」はノンバーバルのパフォーマンス。舞台上で演者は台詞を言いません。岩本さんの声が聞けるというのは、とっても貴重な体験なのでした。


取材終了後は、会場近くの蕎麦屋で好物の「鴨せいろ」を。
仕事終わり、閉店間際の静かな店内でひとり蕎麦をすする至福のひととき。
…しあわせになれますように。

(INABA)



9/10(月)ジャズヴァイオリニストの寺井尚子さんへの取材がありました。寺井さんはMEG VOL.6で表紙に登場して頂いてますので、2度目の取材となります。

今回は12/8(土)に稲沢市民会館で開催される「イナザワサウンドサーカス Vol.7」について話を伺いました。取材中のご様子を見ていて、寺井さんが嘘やごまかしがとても嫌いな方だというのがよく伝わってきます。相手に対してももちろんでしょうが、ご本人の言葉や行動にこそそれが一番表れていました。レコーディングの際に行われる「100時間リハ」と呼ばれる徹底したリハーサルも、本番を一発録りするためのもの。一発録りということは、あとから何も手を加えないということ。ごまかしのないライヴな臨場感を体現するために、妥協のないリハーサルを重ねる。プロなら当たり前だと言えばそれまでですが、あえて言うなら寺井さんは「本物のプロ」であると、僭越ながら申しあげておきます。

(FUKUMURA)


9/9(日) 劇団「東京セレソンデラックス」の最終公演「笑う巨塔」の会見。主宰の宅間孝行さんと、キャストから松本明子さんが出席。お二人の人柄もあって、終始会見は楽しげに進みました。

宅間さんの取材は、MEG vol.10でもインタビューを掲載したので2回目。なんというか、ユーモアのあるイイ男はもてるだろなって思いました。松本さんは初めてお会いしたけど、周りをホッとさせる雰囲気と、包容力みたいなものを感じさせる女性。長く芸能界で活躍していらっしゃる訳が分かった気がする。

会見の内容はMEG vol.12でお知らせしますが、ひとつだけ。MEG vol.10のインタビューにも同じ内容が載ってますが、宅間さんの演劇に対する考え方が印象的だった。
「僕は演劇をエンターテインメントと考えている」
娯楽のひとつとして、気軽に観に来てもらえるものを提供したいということ。その通り、セレソンの芝居は笑いあり、涙ありで難解なことは何もない。こういうタイプの演劇を作り続けてくれる宅間さんに、これからも注目していきたいと思います。

まずはセレソン解散公演をお楽しみに!
名古屋は大千秋楽です!

(FUKUMURA)