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2025年05月12日 <公演直前レポート> 七代目三遊亭 円楽 襲名披露興行
江戸落語の大名跡“円楽”を七代目として襲名。
全国ツアーの中、大阪サンケイホールブリーゼでの襲名披露興行に注目が集まる!

三遊亭円楽、日本人でその名を知らない人はほどんどいない。五代目、六代目は寄席や高座はもちろんのこと、テレビ「笑点」で名前を知られた国民的落語家だ。その大名跡を七代目として継いだ王楽改め七代目円楽に襲名への思い、襲名興行への意気込みをきいた。
---まずは、七代目円楽の襲名、誠にあめでとうございます。襲名披露興行の真っ最中ですが、各地のお客様の反応はどんな感じですか?
ありがとうございます。襲名披露興行は、有楽町よみうりホールが口開けで、もうすでに数カ所での襲名披露興行を終えています。どの土地に行っても本当にお客様が温かくて、やりやすいというのが第一印象です。きっと僕自身というより、円楽という名前が戻ってきたことに、心から喜んでおられるお客様が多いような気がします。僕はその名前に乗っかって楽しく落語をやらせて頂いているって感じです。あと、初めて落語を聴くというお客様がどこも多いです。あの円楽とやらの落語を聴いてみようか?という感じでしょうか。新しいお客様が本当に多いと感じています。
----その大名跡である「円楽」の襲名は、とても重いものだと想像できるのですが、そもそもお話はいつごろあったのですか?
おととし暮れの12月20日に六代目から直接お話を頂いたので、まだ時間がそんなに経っていないんです。それから大急ぎで、しかも水面下で襲名の準備をやってきましたから、とにかくバタバタで、大名跡を継ぐというプレッシャーを感じる暇がなかったです。
初日の幕が開いて、めくりに円楽という名前が書かれていて、あぁ、今日から円楽で落語をやるんだなぁと、やっと実感が沸きてきたところです。
---お父様も落語家(三遊亭好楽)ですし、いつかは継ぐというお考えだったのですか?
全然考えてなかったです。大学までは落語とは無縁の生活でした。父親の高座も聴いたことがなかったですしね。大学時代は映画や小説に耽っていました。ひょんな事から三遊亭円喜吉師匠の落語を聴く機会があって、落語ってこんなに面白いんだと目から鱗状態になりました。そこからハマってしまって映像やら音声やら、もちろん東京中の寄席を巡って、落語三昧の大学生活になりました。それで大学を卒業してから五代目の円楽に入門しました。
---大名跡を譲られた六代目からは、よく怒られたというエピソードがありますが、どんな関係だったのですか?
ほんとうに多くのことを学んだ、というか怒られました(笑)。弟弟子だとしても人を怒るってすごいエネルギーが必要じゃないですか。とにかくそこは親身になって怒り育てて頂いたと思います。褒められた記憶が一度もありませんから。でも血縁でもない僕に、この大名跡を託そうと決断されるような度量の深い方だったと思います。
----六代目は何を評価して円楽という大名跡を譲られたとご自身では思われていますか?
もちろん噺家としての技術はもちろんだと思いますが、僕のコミュニケーション力みたいな部分を見てくれていたんだと思います。誰とでも何処ででも、周囲の人と仲良くなっちゃう。非凡なオープンマインドな性格は父親譲りかもしれないですね。落語が上手なだけでは限界があります。僕にはなんだかそういう人懐っこさみたいな部分を評価して頂いたんじゃないかと勝手に思っています。
----七代目円楽としての、今後の抱負をお聞かせください。
芝居(役者)をやってみたいですね。あとバラエティ番組なんかにも物怖じせず挑戦したいと思っています。昔から、売れている師匠方は多方面で活躍されている。(春風亭)昇太師匠なんて、「ドラマやってから落語が上手くなったんだよ」なんて仰ってますしね(笑)。
---落語界も新たな時代に入っていると思いますが、令和の円楽として、落語という演芸はこうあるべきだというビジョンをお聞かせください。
落語界という狭い世界から飛び出ていかないといけないと思っています。かつて五代目が、とある取材で、あなたのライバルは誰ですか? と問うたときの答えが秀逸です。「僕のライバルは高倉健、美空ひばり、力道山」って言ったそうです。今、落語界を超越した活躍をされている笑福亭鶴瓶師匠も「ライバルはSMAPだ」って仰ってたし、きっと五代目と同じ思いだったんじゃないでしょうか。
---大阪での襲名興行が迫ってきています。大阪のお客さんは江戸の落語家さんにとってどんな印象をお持ちですか?
昔の江戸の落語家は上方で演じるのを怖がったという都市伝説みたいなのはありますけど、僕らの世代は、活発に東西交流が盛んになっていましたし、大阪での高座も本当に多くなりました。だから関西だから、上方だからといって嫌な思いがひとつもないし、むしろ人情噺なんて東京より反応がいいんです。やりやすいですね。
---大阪での襲名披露興行はどんな風になりそうですか?
会場のサンケイホールブリーゼは、横にワイドで、ちょうど落語をやりやすいベストな会場なんです。共演いただく師匠方も素晴らしいラインナップですし、もう十分にお客様を笑わせてくださるでしょうから、僕はその大船に乗った心持ちで、皆さんの心に刺さる落語を演じきりますので、どうぞご期待ください。
◎Interview&Text/石原卓

6/15 SUNDAY
七代目三遊亭円楽 襲名披露興行
【チケット発売中】
■会場/サンケイホールブリーゼ
■開演/13:00
■料金(税込)/全席指定¥5.000
■お問い合わせ/ページ・ワン 06-6362-8122 (火・木 11:00~16:00)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
公演情報 ページ・ワンWEBサイト
