HOME > MEGLOG【編集日記】 > <観劇レポート! 鎌塚氏シリーズ最新作「鎌塚氏 腹におさめる」>

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「とにかく面白い!誰が観ても笑える!」
作・演出家の倉持裕が手がけるコメディー「鎌塚氏、腹におさめる」を一足早く、東京・本多劇場で観た感想はここに尽きる。
連続テレビ小説「あさが来た」でブレイクを果たし、「大人計画」メンバーである三宅弘城が主人公・鎌塚アカシを演じるこのシリーズ。雇い主のいかなる要望にも応える鎌塚氏、彼の生真面目さと機転が物語を小気味よく進めていく。今回のストーリーは、鎌塚の雇い先である公爵家で起こる殺人事件。誰が犯人なのか?息をのむ展開を期待される方には残念だが、舞台上にその緊張感はなく客席からは笑いが絶えない。舞台の明かりでシルエットとなる観客の肩は、終始笑いで震えていたのが印象的だ。倉持作品の真骨頂である笑いのエッセンスが随所に散りばめられているが、そこにキャスティングの妙も相成っている。ヒロインである公爵の娘役に二階堂ふみ。雇い主である公爵には、三宅と「劇団健康」(現「ナイロン100℃」)の先輩である大堀こういち。倉持作品2作目の眞島秀和、お笑いトリオ「我が家」の谷田部俊、鎌塚シリーズ唯一の全作出演となる玉置孝匡、三宅と同じく「大人計画」から猫背椿。出演はこの7人。それぞれが癖のある役柄を演じ絡み合いながら、軽妙なテンポで進んでゆく。注目したいのは、三宅と公爵を演じる大堀こういちの絡み。同じ劇団の先輩後輩の間柄でもある二人のやりとりは、息の合った独特の間を作っている。また、大堀こういちが演じる公爵の、公爵らしかぬ品のなさ(?)と人間味は、今回のストーリーの要でもある。そして7人それぞれのキャラクターが、誰が後ろに下がる訳でもなく絶妙に光っているのは、演出家・倉持裕の手腕によるところ。鎌塚の几帳面さと、その他の役の間の抜け方の対比が良いバランスを作っている。殺人事件でありながら、どの役にも「悪」を感じない。話が進むにつれて、どの役にも愛着を覚えてゆく。そんな優しさを、絶妙な笑いとともに感じさせる好作品だ。
また、鎌塚氏シリーズは今回で第4弾。前3作を観ていない方は予習も気になるところだが、その心配は不要。一作ごとに完結した作品であるとともに出演者も毎回異なるため、今作から観ても違和感はないだろう。

名古屋公演は、8/29(火)・30(水)の2日間。ぜひお見逃しなく!!


<公演概要>

8/29 TUESDAY・8/30 WEDNESDAY【チケット発売中】
メ〜テレ開局55周年記念
「鎌塚氏、腹におさめる」
◎作・演出/倉持裕
◎出演/三宅弘城、二階堂ふみ、眞島秀和、谷田部俊、玉置孝匡、猫背椿、大堀こういち
■会場/日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
■開演/各日18:30
■料金(税込)/全席指定 ¥7,800
■お問合せ/メ~テレ イベント事業部 052-331-9966(祝日を除く月-金10:00~18:00)
■チケット/メ~チケ【オペレーター電話受付】052-308-5222(平日10:00~18:00)
※未就学児入場不可