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スギテツの音楽と鉄道にまつわるトークコーナーなどバラエティ豊かな構成で展開する「鉄道物語 in 稲沢」。日本貨物鉄道(JR貨物)全面協力のもと、鉄道貨物の拠点・稲沢を舞台に続いてきたスペシャルコンサートです。10月の公演を前に、当日登壇予定のJR貨物・吉田氏と杉浦哲郎が対談。鉄道ファンもそうでない人も楽しめるユニークな音楽フェスの魅力を語りました。


スギテツプロデュース「鉄道物語 in 稲沢」は特別編も含めて4度目。杉浦さんは3度目の登場です。これまでもスギテツならではのユニークな音楽世界が繰り広げられました。

杉浦:例えば、「ワム」「タキ」など貨物列車の記号を強引に音楽と結びつけるネタ「名曲連結貨車の旅」とかですね。イギリスのポップデュオ、ワム!の「ラストクリスマス」や滝廉太郎の曲を僕らが演奏しながら車両の写真をスライドでお見せして、東海ラジオの源石和輝アナウンサーが解説のナレーションをおこなうという。この企画は定番になっていて、10月の公演でもおこなう予定です。強引にダジャレをひねり出せばネタは無限に広がりますからね(笑)。

JR貨物は、初回からこの公演に深く関わっているんですよね。

吉田:そうですね。ステージで投影する車両写真のご提供、イベント会場での鉄道模型や鉄道写真の展示など、さまざまなカタチでご協力させていただいています。

杉浦:僕も鉄道ファンとして毎回ワクワクしています。コンサートでもトークコーナーにJR貨物さんの方にご登壇いただいていますよね。ご提供いただいた写真をスライドショーで見ながら、みんなで根掘り葉掘りお話をうかがって。出演者もみんな鉄道好きですから興味津々で、ついつい長引いてしまうというコーナーなんです。観客の皆さんの中にも、楽しみにしている方がたくさんいらっしゃるようです。今回は吉田副支社長にご登壇いただく予定ですから、本番でもいろいろ聞いちゃうと思います(笑)。

吉田さんは過去の公演をご覧になって、いかがでしたか?

吉田:スギテツのお二人の音楽を初めて聴いたときは衝撃を受けました。「こんなことができるんだ!」と。ピアノやヴァイオリンで列車の踏切の音を出したり、いろいろな曲を鉄道ネタにうまく絡めてパロディにしたり。鉄道と音楽が結びつくなんていう発想がなかったので驚きました。クラシック音楽もたくさん取り上げられますが、堅苦しくなくてすごく面白いんですよね。

コロナ禍で世の中が一変してしまいましたが、そうした状況はネタづくりに影響しますか?


杉浦:そうですね。自粛期間中には、この情勢の中で少しでも楽しめるような、苦境を笑いに変えられるような曲ができたらなと考えていました。それで作ったのが「ステイホーム組曲」。お風呂が沸いた音など家の中のいろいろな音を素材にした曲です。それに、マスカーニの歌曲「アヴェ・マリア」をもじった「マスクーニのアヴェ・マリア」。マスクに関する曲をいろいろ集めてみました(笑)。また、ステージの演出についても考えました。今は客席からの声援も控えていただくような状況ですから、「ブラボー」と書いた紙を皆さんにお配りして、声がけのタイミングでひらひらと掲げてもらったらどうだろうと。先日、コロナ禍で初めてのホールコンサートがあったので取り入れてみたら、皆さんすごく楽しんで参加してくださいました。そうした、現状をちょっと逆手に取った演出はこれからもやっていこうかなと思っています。

今回はどんなステージになりますか?共演はサックスの上野耕平さん、アコーディオンの田ノ岡三郎さん、セントラル愛知交響楽団弦楽メンバーですね。

杉浦:上野さんはクラシックのサックスプレイヤーです。サックスってジャズのイメージが強いと思いますが、彼はものすごく澄んだ音色を奏でる人なんです。そして好青年。だけど鉄道が大好きで喋り出すと止まらないし、サックスでVVVF(電車の制御装置)のモーター音を再現したりする。もう、すごい技術の無駄遣い(笑)。これまでにも2~3回ご一緒しているんですけど、そういうネタをいきいきとやるんですよ。今回、東海地方でご一緒するのが初めてなので、彼のサックス本来の素晴らしい音色はもちろん、こうした企画でしか見られない一面も楽しんでいただけたらと思います。

吉田:トークコーナーにも参加していただけるそうなので、質問攻めに合うかもしれませんね(笑)。

杉浦:アコーディオンの田ノ岡さんは10年来の仕事仲間です。彼はソリストとしてもセッションミュージシャンとしても幅広く活躍しています。最近では、大竹しのぶさんの主演舞台「ピアフ」や朝ドラの「エール」にも演奏者の役で出演していました。彼にもアコーディオンと鉄道を絡めたネタを披露してもらいつつ、いろいろな鉄道系の曲でコラボして、また新しいステージができたらなと思います。セントラル愛知交響楽団は、もともと名古屋文理大学文化フォーラムと深いつながりがあるということで共演が実現しました。クラシック音楽での音遊びにお付き合いいただいたり、上野さん、田ノ岡さんとのコラボにも混ざっていただいたりして、豪華なステージにできたらいいなと考えています。

ところで、お二人は何鉄ですか?

杉浦:僕は乗り鉄です。鉄道好きになったきっかけは、小学生のときのブルートレインブーム。列車の写真を撮って切符を集めてということから始めて、未だに続いているのが乗って楽しむことですね。音楽の仕事を始めてから少し離れていたのですが、演奏旅行で全国に出かける機会が増えて復活しました。前後にお休みがあると北海道から青春18切符で帰ってきたり。列車の旅って流れる時間がやっぱり違うんですね。単なる移動じゃなく、風景や車内での過ごし方も含めて楽しめるから。

吉田:僕も小さい頃から鉄道が好きでJR貨物に入りました。僕の場合は模型鉄ですね。今、会社の受付に飾ってある模型は僕が作ったものです。コロナ禍で外出もままならないので、休日には家でずっと模型づくりをしていました。

杉浦:すごい!僕はピアニストなのに手先が不器用だから、子どもの頃からプラモデルとかすごく苦手だったんです。水で貼るシールが絶対に曲がっちゃって。それで、模型には一切手を出さなかったんです。で、時刻表を見て旅のプランを考えて遊んでいました。ミュージシャンにならなかったら、旅行代理店でツアープランを作る仕事がしたかったですね。


10/18 SUNDAY 【チケット発売中】
スギテツ ファミリーコンサート「鉄道物語 in 稲沢」vol.3
◎出演/スギテツ、上野耕平、田ノ岡三郎、セントラル愛知交響楽団弦楽メンバー
◎司会/源石和輝(東海ラジオアナウンサー)
◎ゲスト/木村裕子(鉄道タレント)
■会場/名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホール
■開演/15:00(開場14:15)
■料金(税込)/全席指定¥2,000
■お問合せ/名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館) TEL.0587-24-5111
※3歳以下は保護者1名につき1名膝上に限り無料(席が必要な方は有料)
※本公演は収容人数の50%以内で実施します

小ホールにて鉄道模型・写真コーナー開催(入場無料/11:00〜15:00)