HOME > Web 限定インタビュー > マティアス・ヘフス コンサートツアー名古屋公演に向けて- 佐藤友紀に訊く

圧倒的な技巧と卓越した音楽性で現代トランペット界を牽引するマティアス・ヘフスが単独来日。弟子である佐藤友紀、辻本憲一らとともにツアーを行う本公演について、名古屋公演の聴きどころを、佐藤友紀に聞いた。


佐藤友紀(Trp) ©️Masanori Doi

昨年のジャーマン・ブラス50周年記念公演は、19年ぶりの来日ということもあり大きな話題となりました。今回はジャーマン・ブラスの看板プレイヤーであり、現代トランペット界を牽引する名手、マティアス・ヘフスの単独来日。期待が高まりますね。

佐藤:昨年の来日公演の際に、「もっとヘフスの音を聴きたい!」という声を多く耳にしました。そうした熱い要望に答えるべく、単独での来日ツアーが実現することとなり、関係者の間でも期待が高まっています。ヘフス先生はひときわ存在感のある奏者ですから、長年のファンはもちろんのこと、今回初めてその演奏に触れる方にとっても、トランペットの魅力をあらためて実感することのできる貴重な機会となりそうです。


共演者も日本を代表するトッププレイヤーが名を連ねています。今回の編成には、どのような思いが込められているのでしょうか。

佐藤:実は今回のツアーの背景には、ヘフス先生や同門の辻本憲一さんらとともに制作し、2015年にリリースしたアルバム『ファイヤーワークス ― 3本のトランペットとオルガンによる祭典 ―』の存在があります。このときのようにまた、師弟3人で演奏したい、という思いがありました。名古屋公演ではそこに、福川伸陽さん(Hr)、古賀光さん(Trb)、池田幸広さん(Tub)に加わっていただきます。メンバー全員によるアンサンブルにヘフス先生のソロを織り交ぜながら演奏しますので、彼の魅力を存分に味わっていただけるのはもちろん、それぞれの奏者の個性も楽しんでいただける、非常に贅沢なプログラムになると思います。また、ヘフス先生は本拠地ドイツでは、弟子たちとの演奏会を頻繁に行っていますので、今回の公演では、そうしたドイツでの雰囲気もお届けできると良いです。

お弟子さんである佐藤さんから見て、ヘフスさんの魅力はどういうところにあるのでしょうか?

佐藤:紳士的な人柄や、あふれる音楽性、卓越した技術など、もう本当に“すべて”なのですが、私が最初に度肝を抜かれたのは“音”です。トランペットという楽器の難しさをまったく感じさせず、どこまでも自然に音楽が流れていくような演奏をする方なのです。私自身、それまでトランペットでは実現不可能だと思っていたような演奏をごく自然に実現しており、完全に打ちのめされました。私は彼のそういうところに強く惹かれて、師事したのです。


YouTubeなどにも多くの演奏動画が公開されており、エレガントな音色が非常に印象的です。

佐藤:そうなんです。まさに“エレガント”という言葉がぴったりだと思います。もちろん、トランペットならではの華やかさや荘厳な響きも持ち合わせているのですが、ヘフス先生は繊細な表現を徹底的に追求しており、微弱な音にも豊かな表情があります。このスゴさは録音ではなかなか伝わりにくいのですが、非常に幅広いダイナミックレンジを持ち合わせていますので、ホールの客席でぜひ体感してほしいです。おそらく、トランペットという楽器のイメージが覆されると思います。

プログラムの聴きどころは?

佐藤:モーツァルトのピアノ・ソナタやJ・S・バッハのパルティータなど鍵盤楽器のアレンジ作品では、原曲の新たな魅力を発見していただけると思います。また、メインとなるベーメの《金管六重奏曲 Op.30》は、読売日本交響楽団 第694回名曲シリーズ(7/21火 サントリーホール)にて演奏される《トランペット協奏曲 変ホ短調 作品18》と同じ作曲家による作品です。同じ作曲家の室内楽作品で、また違った世界観をお楽しみいただけると思います。ぜひ会場にお越しください。

◎Interview&Text/向後由美



7/14 TUESDAY
マティアス・ヘフス コンサートツアー
チケット発売中
《出演》
マティアス・ヘフス(トランペット)
佐藤 友紀(トランペット)辻本 憲一(トランペット)
福川 伸陽(ホルン)古賀 光(トロンボーン)池田 幸広(テューバ)
◾️会場/しらかわホール
◾️開演/18:45
◾️料金(税込)/全席自由 一般¥5,000 高校生以下¥3,500
◾️お問合せ/クラシック名古屋 TEL.052-678-5310