HOME > MEGLOG【編集日記】 > 映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』舞台挨拶レポート

MEGLOG

日本のパンクロックを生み出したムーブメント「東京ロッカーズ」を描いた快作!映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』がまもなく全国公開!


(C)2026映画「ストリート・キングダム」製作委員会


映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が明日3/27(金)に全国公開される。1970年代後半に日本でパンクロックを生み出したムーブメント「東京ロッカーズ」の姿を、当時彼らのカメラマン兼マネージャーであった写真家・地引雄一の自伝的エッセイを原作に、映画「アイデン&ティティ」の監督・田口トモロヲと脚本家・宮藤官九郎が再びタッグを組んだ青春音楽映画。公開に先立ち、2/27(金)に名古屋・センチュリーシネマでの先行上映会ではトークショーが開催され、田口トモロヲ監督と名古屋のパンクロックシーンの重鎮、the原爆オナニーズ のTAYLOWさんが登壇した。


田口監督とTAYLOWさんは旧知の仲。監督は、自身のバンド“ばちかぶり”が原爆オナニーズと共演したことがあると明かし、当時のチラシを見せると、TAYLOWさんはチラシを大切に保管していた監督に「すごく嬉しかった」と気持ちを伝えた。2人の出会いはTALOWさんから監督への連絡から始まったという。1985年に原爆オナニーズがファーストアルバムをリリースするタイミングで、渋谷「屋根裏」でライブをやることになり、“ばちかぶり”に声をかけたのだと。
TAYLOWさんは『東京ロッカーズ』と直接関わりを持っていた。『東京ロッカーズ』のムーブメントが始まった頃、東京に遊びに行き「今度、京大西部講堂でライブをやるよ」と聞かされ、そのライブに足を運びメンバーたちと連絡先を交換して仲良くなったのだと。「そうやって直接繋がっていくのが当たり前の時代でしたね。まだその頃は一人のパンク好きにーちゃんでした。」と語る。
田口監督は「東京ロッカーズ」の世代よりは若干若い。「みんな年上で憧れの存在。怖い人も多かった時代で(笑)。その中でも原作者の地引雄一さんは、フラットでジェントルでした。地引さんが私をこのシーンに入りやすくしてくれて、その背中を見ながらバンド活動を始めたという感じです」と振り返る。


(C)2026映画「ストリート・キングダム」製作委員会

TAYLOWさんは、劇中に出てくるイベントにスタッフとして参加していたという事実が明かされると「THE STAR CLUBというバンドの東京マネージャーを務めていたので、「あ、俺ここの背中あたりにいたよね」というシーンがいっぱいありました。」と語る。田口監督は感無量な面持ちで「こんな平和な日をTAYLOWさんと迎えられるなら、映画に出てもらいたかったな!あの頃はみんな怒っていましたから(笑)」と気持ちを吐露すると、TAYLOWさんも「みんなやさぐれていた。怖いことだらけだったんでしょうけど、何故か上から目線で年上の人とも話していて、でも結構平気だったりした」と振り返った。
当時はどれくらい『東京ロッカーズ』が話題になったのか、その問いに監督は「メジャーにならないとダメという価値観の時代でした。『東京ロッカーズ』はその中で、既成概念を壊して新しいシーンを作っていこうとしていたんです。彼らは音楽シーンの中で辺境というか、崖っぷちに咲いた花のように孤高の存在。だからこそ格好いい。ライブに集まるファンも20人入ったら『やった!』という世界。ギャラが1,000円を超えたらパンクスは大喜び(笑)」と、リアルな様子も垣間見られた。


(C)2026映画「ストリート・キングダム」製作委員会

映画がどれくらい当時の様子を再現できているかとTAYLOWさんが問われると「新宿ロフトの様子は『俺、この辺にいた!』というシーンがいっぱいありました。スタッフが苦労しているところを色々手伝っていましたから。」と。田口監督は「当時は、今のライブなどにはない特有の緊張感や緊迫感がありました。ステージに立つバンドにも、『これをやらなければ死んでしまう』というような切迫感があったんです。そこは嘘をつけない部分だなと思いました。当時のライブハウスはほとんど現存していないから、その様子を緻密にセットで再現してもらったんです。その中に入った瞬間、僕は鳥肌が立ちましたね。」とアイデン&ティティから組んでいる映画美術にも自画自賛した。TAYLOWさんから「新宿ロフトと渋谷「屋根裏」は、当時のバンドマンにとって一番出たい憧れの場所ですから。その再現度は『胸キュン』レベルです。」語ると、田口監督は「原爆オナニーズのTAYLOWさんが『胸キュン』という言葉を使う時代になったんだということに、今俺はそこに『胸キュン』になりました」と感慨深げだった。


(C)2026映画「ストリート・キングダム」製作委員会

最後に田口監督は、「日本ではロック・フェスが盛んに行われていて、ビジネスとしても成功しているわけです。でも、その『最初の一歩』を築いた人たちについて全く知られていないことに愕然として。フェスやインディーズという方法論はこの人たちから始まっているんです。色々あって制作に11年かかったわけですが、こんなすごい人たちがいたんだということを「これでも食らえっ!」という気持ちで発射させてもらうので、皆さんは自由に観て感じてくれたらいいと思います。とこのトークを結んだ。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は2026年3月27日(金)より名古屋市・ミッドランドスクエアシネマ、センチュリーシネマほかで全国公開。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』
3月27日(金)より名古屋市・ミッドランドスクエアシネマ、センチュリーシネマほかにて全国公開
公式サイトはこちら
監督:田口トモロヲ 脚本:宮藤官九郎 
原作:地引雄一「ストリート・キングダム」
音楽:大友良英
キャスト:峯田和伸、若葉竜也、吉岡里帆
配給:ハピネットファントム・スタジオ