HOME > Web 限定インタビュー > 「名古屋万華鏡落語」インタビュー

名古屋万華鏡落語が今年も10/5(土)に上演されます。津軽三味線☆三絃士の軽快な音色から始まり、演劇的な落語「演落語」、名古屋出身の3人の落語家による高座、そして名古屋おもてなし武将隊の前田慶次公による落語・歴史談義。名古屋能楽堂の舞台で、様々な視点から落語の面白さを万華鏡のように楽しむ落語会です。今回は「演落語」の脚本・演出を務める鹿目由紀(劇団あおきりみかん)と、演じ手の中原聡太(BOYS AND MEN 研究生)に見どころを聞きました。

中原さんはこの演落語の演者を務めるのが3回目ですね。

名古屋能楽堂での稽古風景1

中原:1年目は「寿限無」、2年目は「初天神」を演じました。演劇的な落語ということで「演落語」と呼んでいますが、最初は何が何だか分からなかったんです。でも鹿目さんの台本を読んで“こういうことか!”とすぐイメージが湧いてきました。初めて観てもらう方には、落語という古典の堅苦しいイメージをうまくほぐして、聴くだけではなくて観ても楽しい落語だと思ってもらえれば嬉しいです。

舞台上で中原さんがほぼ一人で演じるのですね。

中原:今回は特別出演として同じBOY AND MEN エリア研究生の2人に少し手伝ってもらいますが、ほぼ一人で演じることになります。普段のお芝居だと何人か相手がいて、相手の芝居を受けて自分の役をキャラクターも見えてきたりするんですが、それを全ての登場人物の感情の整理をつけなくてはいけないんですよね。これはまさに落語の真骨頂の部分でもありますが。ましてや今回は登場人物が100人ってことなので(笑)。これをうまく演じられれば、自分のスキルも上がるんじゃないかとも思います。

鹿目さんは今年の9月から、ご自身が主宰する劇団あおきりみかんを2年間休団することにされましたね

鹿目:自分が主宰しながら休団というのも不思議な感じですが、他の劇団員はそのまま劇団の活動を続けていきます。休団の理由としては3つあって、ひとつは劇団という私の拠り所を断ち切ってみること、ひとつは頂いている劇団以外の仕事で新しいことへのチャレンジを持続させること、もうひとつは小説やエッセイなどを書くことなんです。万華鏡落語に関しては今年で4年目なんですが、毎年新しい空気を感じられるんです。だからある意味この企画に乗っかって、自分が普段やらないようなことにチャレンジさせてもらっていると思っています。もちろんスリリングな部分もありますが、それを迎え撃って新しいことを生み出していくことが楽しいのだと感じています。


名古屋能楽堂での稽古風景2


演落語は今年で3回目ですね。

鹿目:中原君も2回こなしたところで要領も得ているので、できることがどんどん広がっていくタイミングだと思うんです。肉体が本当に俳優になってきているの実感しているので、演出する私も本当に楽しいですね。

座って話す一般的な落語と舞台を使って劇的に演じる演落語の大きな違いは?

鹿目:複数の人物を舞台上で動きながら演じ分けるので、異なる登場人物が同じ立ち位置にいると混乱してしまいますよね。そこは気をつけています。あとは登場人物を切り替える時にどう見せるかということです。くるっと回って人物を切り替えるんですが、最初は大変そうだったんですが、もともと中原君は身体能力に優れているので、肉体が慣れてくるとスムーズに転換できるようになりました。今回の「あたま山」は、より演劇に近い内容になると思います。今までは登場人物のセリフだけで演じていたのですが、今回は初めて語りも入れています。

「あたま山」のオチはとてもファンタジックですが、これを演劇としてどう表現しますか?

鹿目:ビジュアル的に割と観客の皆さんを信用していいのかなと思っています。頭に池があるということをジェスチャーで表すことも特に必要なくて、少しだけ小道具を使って「落語的」に“これが池だ”ということを補った上で展開していこうと。あくまでも落語のルールに則ることがこの演落語の面白さなので、そこを逸脱しないように工夫しています。演劇でできるギリギリのところと落語のシンプルなところを融合させたいです。「あたま山」はラジオドラマで聴いても楽しそうな作品じゃないですか。私も星新一やSFファンタジーが大好きですし、映画の「マルコビッチの穴」みたいな雰囲気を作れればと思います。

鹿目さんご自身も落語が元々お好きですが、どんな魅力を感じますか?

鹿目:落語って適度にザックリしているんですよね。そのザックリしているところに自分のアイデアを盛り込める感じがするんです。だから落語家さんによって、同じ噺でも様々な個性が生まれてきますし。そういう余白があるところに、私も演劇的な創作意欲が湧いてきますし、ワクワクします。


10/5 SATURDAY
名古屋万華鏡落語
会場/名古屋能楽堂
◼️開演/【昼の回】12:00【夜の回】17:00
◼️料金(税込)/前売¥3,800 当日¥4,300
◼️お問合せ/東海テレビチケットセンター TEL.052-951-9104(平日10:00〜18:00)
※未就学児入場不可
※車椅子席は東海テレビチケットセンターで電話受付のみ
※各回、集合写真の撮影可能なお時間、また、終演後、出演者によるお見送りがございます。

◎出演/
【昼の回】
津軽三味線☆三絃士
演落語:中原聡太(BOYS AND MEN 研究生)
古川流唯(BOYS AND MEN 研究生名古屋)
内海太一(BOYS AND MEN 研究生関西)
落語:林家まめ平
落語:柳家緑君
談議:前田慶次(名古屋おもてなし武将隊(R))
【夜の回】
津軽三味線☆三絃士
演落語:中原聡太(BOYS AND MEN 研究生)
古川流唯(BOYS AND MEN 研究生名古屋)
内海太一(BOYS AND MEN 研究生関西)
落語:柳家緑君
落語:瀧川鯉斗
談議:前田慶次(名古屋おもてなし武将隊(R))
<演落語 遊遊奇譚「あたま山」>
◎脚色・演出/鹿目由紀(劇団あおきりみかん)
◎原作/落語「あたま山」