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セリフを一切使わず、体の動きや表情だけでドラマを描き出すパントマイム。その卓越した表現力と演劇作品としての質の高さが世界中で評価される、が〜まるちょばが、待望の長編新作「ピストルと少年」を携えて全国ツアー中です。名古屋公演を前に、作品づくりや演技論から音楽へのこだわりまで、熱量たっぷりに語ってくれました。
ソロになられてから、作品づくりにおいて変化はありましたか?
変わりましたね、表現方法が違ってきますから。ふたりいると、その関係性でドラマを見せることができますが、ひとりでやる場合、対象になるものがお客さんには見えないので。でも、やれることが少なくなるわけではなくて、むしろ選択肢が少ない分、その「無対象」である相手がどういうものなのかを観客に感じてもらうという点で、表現としては逆に広がっていると思いますね。それと、ひとりになってつくづく思うのが、パントマイムは、まだ完成されたものではないなと。作品を作っていると、まだまだ面白いこと、やれることがあるなと感じます。
長編作品は、どのように作られるのですか?
簡単に言うと、作品の頭から最後までの台本を書きます。出来上がったら今度は実際に動いて撮影し、それを見て自分自身にダメ出しをする。何回も何回もそれを繰り返して完成に近づけていく、という感じです。
台本の時点ではセリフもあるのでしょうか?
セリフは一切書きません、所作だけです。何を言っているか頭の中にはなんとなくありますが、それを観客に伝えようとはしていません。例えば外国映画の場合、字幕があるとはいえ、俳優はなじみのない言語を話しているわけですよね。だけど、動きや表情から内容を理解できるはずです。それと同じ感覚だと思います。観る人が自分の中で会話を補完してくれればいい。
HIRO-PONさんの演技を見ていると、セリフが聞こえてくるような感覚があります。
従来のパントマイムは口を動かしませんが僕は動かすので、その影響もあるかもしれませんね。もちろん口の動きに意味はありませんが。声を出さずにセリフを言っているわけではないので。僕は「パフォーマー」と捉えられることが多いのですが、僕は役者で、舞台で見せているのは間違いなく演劇なんです。それは強く訴えたい。芝居を観ることを人生の醍醐味にしているような方には、ぜひ観てもらいたいです。MEGの読者には演劇好きな人も多いと思いますし。
パントマイムは、セリフのない演劇なのですね。
パントマイムとストレートプレイの違いは、演じる役者が喋るか喋らないかということ。どちらも、舞台上での表現は心の動きから派生するものであるべきだと思います。台本に書いてあるから動くのではなく、そこに必然性があるから動くわけです。台本に「ちょっと、水飲んでいいですか?」と書いてあるから言うんじゃなくて、水を飲みたいと思ってセリフを発しないと言葉が生きてこない。うまい役者は、セリフという武器を心の動きの中で使いこなして自分のものにして届けているんだと思います。僕の武器は所作ですが。
映画など映像作品での俳優の演技とは、また違いますか?
映画「ゴッドファーザー」で、アル・パチーノが目の動きだけで人を殺す前の心の動きを表現する名シーンがあります。ああいうことをパントマイムでやろうとすると、伝わらないんですよね。理由はわからないけれど、観客の目が離れる感覚がすごくある。舞台ってやっぱり嘘なんです、特にパントマイムは。嘘を上手に見せるから面白くなるんだけど、リアルに近づけ過ぎるとつまらなくなります。それから、演じる役のキャラクターに没入し過ぎるのも、マイムの場合は面白くなくなりますね。もしかしたら、舞台上には僕自身のキャラクターがちょっと生きているかもしれない。そういうものを見せないと、作品がつまらなくなる場合もあります。やってると、そういうことに気づかされますね。
現在、ツアー中のGAMARJOBAT THEATRE 2026「ピストルと少年」では、長編の新作を披露されます。実は今回の取材にあたり、東京公演のゲネプロの映像を事前に拝見したのですが、劇場で観るべきでした。
なんで見ちゃったの、ダメダメ!(笑) ただパントマイムの場合は、マチネとソワレでも見えてくるものは絶対違ってくるから。観る人がどこを切り取るかによって、受ける感情が変わりますし。毎回発見があるので何度も観てください。うちのおふくろは、東京公演4回とも観てますよ。でね、感想が毎回違うんです。「作品は育つ」と言いますが、そういうことかもしれません。僕自身、昨日より今日、今日より明日と、より良いものにしたいという思いで舞台に立っています。名古屋公演は5月ですが、それまでに各地で何公演かありますから、自然と変化していくと思います。
ところで、が〜まるちょばの公演は音楽にあふれていますよね。劇中だけでなく、開演前の客席で流れるBGMもセンスが良くて、毎回楽しみにしているファンも多いと思います。
毎回、選曲は自分でやっています。今回は、客入れや休憩のBGM、劇中で使う曲の多くを、45回転のアナログシングル盤からデジタルに落として使っているんです。だから、プツプツというレコード特有のノイズが入ってて。そんなの、お客さんにはわかんないと思うんだけれど。でも、せっかく大きな劇場で聴くんだから、そういうものも伝わればいいなと思っています。客入れの曲がいいと言って、いつも早めに来てくれる人もいるんですよ。
◎Interview & Text /稲葉敦子
5/5 TUESDAY・HOLIDAY
GRMARJOBAT THEATRE 2026「ピストルと少年」
【プログラム】
一部:大爆笑のが〜まるちょばショーと短編作品
二部:「ピストルと少年」
◎作・演出・出演/が〜まるちょば
チケット発売中
■会場/アマノ芸術創造センター名古屋
■開演/17:00(16:30開場)
■料金(税込)/全席指定 ¥6,000
■お問合せ/東海テレビチケットセンター
TEL. 052-954-1107(平日10:00〜17:00)
※未就学児入場不可











