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「竹内涼真」スペシャルインタビュー
取材日:2020.11.30

もし、自分が一番輝いていた青春時代に戻れたとしたら―?
『17 AGAIN』は、『ハイスクール・ミュージカル』シリーズの
ザック・エフロンが主演し、大人気を博した
同名コメディ映画をもとに作られたミュージカル。
負け組人生を生きていた35歳の男が、
バスケットボールのスター選手だった17歳のころの姿に戻り、
もう一度人生をやり直そうと奮闘する作品です。
このミュージカルの世界初演で主人公マイクを演じるのが、
ドラマや映画で活躍中の竹内涼真。
これがミュージカル初挑戦にして初主演となる彼に意気込みを聞きました。


製作発表記者会見で歌唱を初披露されました。

映画やドラマの現場では普段あまり緊張しないのですが、珍しく緊張しました。歌にしてもダンスにしても、最初のうちは、自分の技量のなさにショックを受けて(苦笑)。ただ、気持ちで表現するということは、映像の仕事でも普段からやってきているので、それは歌とダンスでも同じなんじゃないかなと。ステージに立ってみて、映像作品より、自分のだめなところもわかってしまうなとも感じましたし、本番に向けて、自分の中での不安要素を全部なくした状態で舞台に立たないといいものを届けられないなと思いました。映像の仕事ではもっと自分に自信をもてる状態でカメラの前に立っているので、それと同じにならないといけない。これから死ぬ気で努力して練習を重ねていきたいと思っています。

35歳の主人公マイクは、結婚生活は破綻、会社では出世コースから外れ、子供たちからも負け犬扱いされている中、ひょんなことからバスケットボールのスター選手だった17歳のころの姿に戻ってしまい―という設定の作品です。

映画を観たのですが、あっという間に終わってしまったと思うくらい、最初から最後まで、すごく前向きでハッピーという感じの作品だったんです。それと、一昨年ロンドンでミュージカル『レ・ミゼラブル』を観たんですが、それも、自分が思っていた以上にあっという間に終わってしまったと感じるくらい引き込まれました。そんな思いを、今回この舞台をご覧いただくお客様にも味わっていただけたらと思いますし、最初から最後まで、会場全体が一つになれる作品なんじゃないかなと。普段生活していく中で忘れてしまっていること、本当は恵まれているということ、そんなことに主人公が少しずつ気づいていって、家族との絆を取り戻していく話なんです。親友とのおもしろいやりとりもあり、ショーとして、パフォーマンスとして見せていくところもあって、観ている方も一緒になって楽しめる作品になっていくんじゃないかなと思っています。



今回が舞台初挑戦です。

映像作品で、少しでもおもしろいと思ってもらえるものを届けるためにがんばる、それはきっと舞台、ミュージカルでも同じことだと思うんです。演じる仕事を続けてきて、もっと自分のキャパシティがあったらもっといろいろなことができるのになと思ったりしていて。舞台やミュージカルをやっている方たちと現場でご一緒すると、やはり、自分にはないものをもっている感じがするんです。生で演じているという緊張感と、客席にいる人たちに伝えるということを自分でも経験してみたいなと思って、舞台挑戦を決めました。この作品を終えたとき、もっともっとやりたいと思うのか、もうミュージカルはいいやと思うのか(苦笑)、どちらになるかわからないですけれども、2021年の挑戦としてぶつかっていきたいなと。乗り越えたとき、自分がどうなっているのか、自分としても楽しみですね。


ちなみに、17歳のころはいかがでしたか。そして、35歳のころにはどうなっていたいですか。

17歳のころというか、高校の三年間は、挫折していた時期ですね。ずっとサッカーをやっていて、プロの選手を目指していたのが、なかなか上手くいかなくて、好きなことにも前向きになれていない感じだったので。あとは、毎日髪の毛をセットして、母親に「何分鏡見てるの!」って怒られているような(笑)、そんなよくありがちな17歳でした。今は、演技をしているときが一番好きで、この仕事に自分は向いているなということを最近再確認できたので、その技術や質をどんどんあげていって、いろいろな国の方ともお仕事をして行きたいと思っています。このミュージカルもそんな挑戦の一つですし、この壁を乗り越えて、30代の可能性を広げていきたいなと思っています。

どんな瞬間に、自分はこの仕事に向いているなと再確認されたのですか。

このコロナ禍で、いつもより時間があったからかもしれないんですけれども、自粛期間明けの仕事で、いろいろ考えることもでき、やっていて非常に楽しかったんですね。普段、一日24時間あって、何を一番考えているんだといったら、次に自分がやる役をどうしようかと考えているし、それをしていないときもテレビで映画とか観ていたりするし、振り返って、自分は今自分がやっているこの仕事がすごく好きなんだなと思えて。仕事を始めたころは、プライベートで飲みに行ったりしても、そこで仕事の話をするのは少し苦手でしたが、今や、プライベートでも仕事の話ができる人と一緒にいたいし、そういう話を普段からすることがどんどん好きになっていっているというか。そういう自分に最近になって気づけたんですよね。作品にも恵まれてやってきたので、そういうことを考える時間があまりなかったんですけれども、改めて感謝しましたし、一歩ずつ成長していけているんだなという感覚がありますね。

◎Interview&Text/藤本真由(舞台評論家)
◎Photo/中野建太



7/1THURSDAY〜11SUNDAY
ミュージカル「17AGAIN」
5/17(月)〜チケット発売
■会場/御園座
■開演/7月1日(木)・6日(火)・8日(木)13:00、18:00
7月2日(金)・4日(日)・7日(水)・11日(日)12:00
7月3日(土)・10日(土)12:00、17:00
7月5日(月)休演日
7月9日(金)貸切
■料金(税込)/全席指定 A¥13,000 B¥9,000
■お問合せ/御園座 TEL.052-222-8222(10:00〜18:00)