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「藤井フミヤ」スペシャルインタビュー
取材日:2014.02.04

昨年デビュー30周年(ソロで20周年)を迎え、現在も記念プロジェクトが進行中。
近年さらに意欲的に音楽領域を広げてきた藤井フミヤが名曲たちを
フルオーケストラをバックに歌うプレミアムなコンサートが登場します。

初のフルオーケストラによるコンサートで、会場も全国5都市のいずれもクラシックの殿堂ということで注目を集めています。

ふだん自分がコンサートを開いている会場とはまたひと味違う、オペラ劇場のような雰囲気のホールで歌えることを凄く楽しみにしています。愛知県芸術劇場は昨年、僕の作曲した「伊勢神宮式年遷宮」のイメージソング「鎮守の里」のオーケストラバージョンを「奉祝演奏会」で(読売交響楽団が)演奏してくれた場所でもあります。フルオーケストラをバックに歌った経験はほとんどないですね。何年も前にNHKの坂本九さんの追悼番組で「見上げてごらん夜の星を」を歌ったくらいしか記憶がありません。もちろん今回も僕はマイクを使うんですが、あれだけたくさんの生楽器の音に包まれて歌う自分の姿を正直まだ想像つかない。ヴォーカリストとして貴重な体験になるかも…もしかしたらこの先もう二度とないかもしれないなんて考えたりしています。今回は全国で計3つのオーケストラと共演するので、それぞれのオーケストラの熱心なファンの方も興味を持って会場に足を運んでくれたらいいですね。


現在は編曲担当の方と選曲やアレンジについていろいろと検討されている最中でしょうね。

なるべく皆さんがよく知っている曲をいっぱい入れたいと思っています。あとは、主催のビルボードジャパンからのリクエストもあって、「TRUELOVE」や「君が僕を想う夜」「AnotherOrion」などのしっとりしたバラード系だけじゃなくて、アップテンポの曲や意外性が感じられる曲なども面白いんじゃないかということで、いろいろ考えています。アルバム『LifeisBeautiful』の中のブルージーな「愚か者の詩」や軽快な「なんかいいこと」みたいな楽曲あたりとかアレンジが手強そうなものもありますが、オーケストラの懐ってかなり深いのでどんなアレンジが出来上がるのか楽しみですね。今回、そうやって自分の曲をオーケストラ作品として楽譜に残せるのも、三つ星シェフのレシピをもらうような感じで嬉しい。これもひとつの財産ですからね。

ステージには指揮者もいます。今回、国際的評価も高い日本が誇る指揮者、大友直人(指揮は西宮のみ)・山下一史との共演も話題です。大友さんは全体の音楽監修も務められていますね。

どうなんでしょうね、ふだんドラムの方は見るけど、指揮を見ながら歌ったことはないのでどうなることやら(笑)。でも先日も大友さんと打ち合わせでお会いしたんですが、いかにもマエストロって感じで格好よかったですね。あれじゃあモテるだろうな(笑)。とにかく、あまり気張らずいつもと同じように歌えたらいいですね。


デビューから30年、日本の音楽シーンの最前線で活躍されてきたわけですがやはり音楽の聴かれ方も時代と共に大きく変化したと感じますか。

そうですね一番大きな変化は、昔は音楽ってテレビやラジオ、ステレオから流れてくるのをみんなで共有するものだったけど、今は下手したら同じ部屋のなかでそれぞれが違う音楽聴いているような状況ですよね。スピーカー世代としてそこはちょっと寂しい気もします。あと、以前は巨大な音楽ライブラリーを持っているのって、DJとか限られた人たちだったのが、今はマニアックな楽曲もネットで検索して聴けたり、欲しいと思ったらすぐダウンロードできたり、誰もがスマホのような小さな端末で世界中の音楽と繋がっていますからね。CD自体も一部を除いてもうそれ程売れなくなってきている。だからこそ、シンガーとしてのこれからの生きる道は、観客をいかに集めてライヴで歌えるかにかかっていると思うんですね。


ソングライターとしても時代を超えて聴き継がれる数々の名曲を世に送り出してきました。

基本的にどれもラヴ・ソングばかりですけどね。自分で云うのも何ですが、愛を伝えたり教えたりするのに、ラヴ・ソングに優るものはそうないんじゃないかって思うんです。これからも、言葉と音楽が深く結びついたラヴ・ソングを作って、歌っていきたい。

フミヤさんのファン、オーケストラのファン、クラシック・ファンと、さまざまな音楽ファンの集まるコンサートになりそうですね。

特にクラシック専用ホールでまだ生のオーケストラ演奏を聴いたことがないっていう人にたくさん足を運んでほしい。怖がらずにね(笑)。僕も子どもの頃、初めてクラシックを聴きに行ったときに全然関係ないところでひとりだけ拍手して恥ずかしい思いをしたことがあります。静かに座って聴かなきゃいけないとか、いろいろと窮屈なイメージもあるけれど、それさえも楽しむような感覚で、むしろドレスアップしてこのゴージャスな雰囲気に思いきって飛び込んでみてください。



5/18 SUNDAY
billboard classics
「FUMIYA FUJII PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2014」
−30th ANNIVERSARY

チケット発売中
◎音楽監修/大友直人
◎指揮/山下一史 
◎管弦楽/日本フィルハーモニー交響楽団
■会場/愛知県芸術劇場大ホール 
■開演/16:00 
■料金/全席指定 プラチナ¥9,800(売切) S¥8,800
■お問合せ/サンデーフォークプロモーション TEL.052-320-9100