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「丸山果里菜×小野希子×藤本隆宏」スペシャルインタビュー取材日:2025.04.03
名曲「トゥモロー」で知られるミュージカル「アニー」は、今年、
1986年に日本テレビが上演をはじめてから40年目を迎える。
ファミリー層に絶大な人気を誇っているミュージカルだが、
近年では大人層のファンも急増している。
毎年非常に高い倍率であることで知られる
「アニー役/孤児役」のオーディションは一般公募によるもの。
今年のアニー役(ダブルキャスト)、
丸山果里菜(チーム・バケツ)小野希子(チーム・モップ)、
そしてアニーと出会い、心を通わせていく大富豪のウォーバックス役、
藤本隆宏に見どころを聞いた。
舞台は世界大恐慌直後のニューヨーク。
孤児院の前に置き去りにされたアニーはいつか
両親が迎えに来ると信じて、前向きに生きていく
毎年非常に高い倍率であることで知られる「アニー役・孤児役オーディション」に挑戦し、最終審査でアニーに決まった瞬間の気持ちは?
丸山:私は3度目の挑戦だったのですが、まさか選ばれるとは思っていなかったので、「本当に私がアニーなの?」と、とても驚きました。稽古が始まって、「いよいよだな」と現実感が湧いてきました。
小野:私は今回が2度目でした。選ばれたときは、まるで夢を見ているようでした。最初はただただうれしい気持ちでいっぱいでしたが、徐々に緊張感が湧いてきています。
アニーのオーディションに挑戦してみようと思われたきっかけは?
丸山:2022年の公演を見たことです。とても感動して、私もあんなふうに歌ったり踊ったりしたいと思い、そこから挑戦が始まりました。もともと歌うことは大好きなのですが、アニーの歌には高い音がたくさん出てくるので、どうやったらその高い音をきれいに歌えるかが難しかったです。
小野:私は2023年の公演を見て、アニーのひたむきな姿勢やいつも前向きなところを演じてみたいと思ったのがきっかけでした。そして、お客さまに感動を届けたいと思い挑戦しました。私も高い声を出すのが大変でしたが、その分、歌えるようになったときは充実感で満たされました。
アニーの衣裳、お似合いですてきです!
丸山:私もとても気に入っています。初めて着たときは「わぁ、本物だ!」と思いました(笑)。
小野:私も「アニーだ!」って思いました(笑)。この生地がふわふわとしているところが好きで、着心地も良いです。
藤本さんはウォーバックス役で8度めの出演となりますが、今年の稽古場の雰囲気はいかがですか?
藤本:とにかく明るいですね。笑いの絶えない、にこやかな雰囲気なのが今年の特徴だと思います。それから、これは関わっている全員がそうだと思うのですが、丸山さんも小野さんも純粋にお芝居が好きで、演じることが楽しい、という気持ちが全身から溢れているんですね。大人になるとどうしても、そうした想いをストレートに表に出すようなことがだんだんとなくなってくるように思うのですが、このミュージカル「アニー」に限っては、そうした「純粋さ」というのが最も大事な精神なのだということを、改めて、ふたりから教えてもらったように思います。
このインタビューが始まる直前、少し緊張された面持ちだった丸山さんと小野さんの表情が、藤本さんの姿が視界に入った瞬間にフワッと和らいだのが印象的でした。キャストの皆さんが、良好な関係を築かれているのがうかがえました。
藤本:大人キャストも子供キャストも皆、とても良い関係性が築けていると思います。でもそれ以前に、ふたりともすごくいい子なんですよ。だからこそそうした関係が築けるのだと思います。
丸山・小野:うれしいです!
おふたりは藤本さんのどんなところが好きですか?
丸山:全部だよね?
小野:うん、全部です!
藤本:僕もうれしいです(笑)。



皆さんそれぞれにイチオシの場面があると思うのですが、教えていただけますか?
丸山:私は最初の方に歌う「ハードノックライフ」のシーンが好きです。
藤本:第1幕が始まってすぐの2曲目ですね。子供キャストが皆で歌うシーンなのですが、とても伸び伸びと元気に歌っていて、今の時点で既に非常に高い完成度です。
丸山:元気いっぱいの歌なのですが、その裏に孤児であるアニーの辛さが感じられ、胸がギュッとします。
小野:私は「フリードレス」です。私自身は出ていないシーンなのですが、孤児たちが楽しそうに笑いながら歌っているところを見ていると、私も楽しくなります。
藤本:ラジオから流れてくるバート・ヒーリーというDJの話し方を孤児達が真似しながら歌って踊るシーンですね。このシーンも良いですね。どのシーンも子供たちが本当に一所懸命で、稽古では思わず聴き入ってしまうのですが、そうすると自分の演技ができなくなってしまうので感情移入し過ぎないようにいつも気をつけているんです。今こうして、これまでの稽古のことを振り返っても目頭が熱くなります。
子供達もプロとして真剣に取り組んでいるからこそですね。
藤本:勿論そうです。時には稽古で泣いてしまう子もいるのですが、決して厳しい現場ではないので怒られて泣くわけではないんです。できない自分に対して悔しくて涙が出てしまうんですね。「舞台に立つ」ということは大人も子供も関係なく、プロとして立ち向かっていかなければならないというのを子供達も皆、無意識のうちに理解しているのだと思います。私達俳優はさまざまな作品に取り組みますが、たくさんの子供達の成長と共に歩むアニーのような現場は、他にはなかなかありません。唯一無二だと思います。子供達が努力している姿を目の当たりにして、大人達も鼓舞され進化成長する。アニーにはそういう側面があります。
最後に読者の皆さんにメッセージを。
藤本:ブロードウェイミュージカルの中でも、1977年にトニー賞ミュージカル作品賞を授賞した名作ですから大人も楽しめる作品ですし、子供達が主役ということで子供達も楽しんでいただける。本当に幅広い層に感動をお届けすることができるすばらしい作品だと感じています。ファミリーは勿論のこと、大人の方々にもぜひ会場にお越しいただきたいです。丸山さんと小野さんは、どんなところに注目してほしい?
丸山:私はアニーの気持ちの変化に注目して見てほしいです。特に第1幕から第2幕にかけての変化に感動してほしいと思います。
小野:私は、「トゥモロー」を歌うとき、サンディー(犬)に「大丈夫だよ」と語りかけるシーンがあるのですが、そういう前向きなところに注目して見てほしいです。
藤本:アニーとサンディーとの絆は稽古の賜。深い部分で心が通わなければ、ワンちゃんとの演技はできませんからね。名古屋公演の頃には今以上に深い絆で結ばれていると思います。
丸山・小野:千秋楽まで、がんばります!
◎Interview&Text/向後由美 ◎Photo/中野建太
8/29 FRIDAY〜31SUNDAY
丸美屋食品ミュージカル「アニー」
■会場/愛知県芸術劇場大ホール
■開演/各日11:00、15:30
■料金(税込)/全席指定 S¥9,800 A¥7,800
■お問合せ/中京テレビクリエイションTEL.052-588-4477(平日11:00〜17:00)
