HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#91
昭和の時代に流れてたCMで、
こんなシーンがありました。
おじいちゃんが孫を抱っこします。
顔を見合わせる笑顔の二人。
ところがその孫がすぐこう言います。
「おじいちゃん、お口くさ~い!」。
入れ歯洗浄剤かなんかのコマーシャルだったと思いますが、
見てる側も(あ)、とドキッとさせられたものでした。
きっと商品は売れたんじゃないでしょうか。
子供が言ったことなんだし、誰も悪くない。
誰もまちがってない。こういった悪気のないヒトコトというものは、
まわりだけが大変微妙な空気になるとよくわかりました。
そして悪いけど、うつむきながら笑っちゃう。
お話の最後に「あの王様は裸だ!」と、
少年が指さして言った一言で終わる有名な童話「裸の王様」が、
世界中から愛されているのも、同じ理由からかもしれません。
率直。相手を傷つけようとして言った言葉だと、
すぐ笑いが消えて行くのに、
悪気がないというところにはパッと輝きを放つんですよね。
笑いは本音に宿る妖精かのようです
(清水ミチコ名言集より)。
そんな笑いといえば、
思い出すのは数十年前、
私についてくれてた名古屋出身のマネージャーの女の子。
辞めた今でも仲良しですが、
よくハッキリと私に注意してくれるヒトでした。
「もっと芸能関係の友達を作った方がいいですよ」
「さっきの挨拶はザツすぎですよ」
「すべりましたねー」など(くそっ!)と、
思うこともありながらも事実なので、
ぐうの音も出ません。
そんなある日、
彼女の両親が私の楽屋に挨拶しに来てくれました。
「お世話になってまして、ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ」と、
お互いに感謝しあう双方。
しかし、その帰り道のこと。
「ミッちゃん、私さっき廊下で
母親に呼び出されて注意されましたよ。」
「なんて?」
「あの人を大切にしてあげて。
メイク落とした顔見たんだけど、
苦労がにじみ出てた。」
「うるせえな、あのババアー!」でした。
二人で爆笑しましたが、
悪気がない言葉って、ホント困りものです。











