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清水ミチコのシミズム

先日、3回目のワクチンを打ってきました。
「仏の顔も三度まで」とか、
「三度目の正直」、「三年目の浮気」など、
3にまつわることわざは、
昔からたくさん存在するものですが、
やはりヒトが3回も何かをした、
ということには、ひとつの節目というか、
くぎりがつくというような気がしますよね。
私もなんとなく(とりあえず3回打ったんだから)と、
節目というか、もう大丈夫では?
などと自信をつけたくなりますが、
いったい何度打つ人生になるのやら、
人類は初体験の世界ゆえ、
まだ誰にも分かりません。
ところで3といえば、私は今年の3月まで、
雑誌「婦人公論」で
3人での鼎談(ていだん)の連載を持ってて、
その3冊目の書籍が今年の秋ごろに
出版されるというハコビになりました。
めでたく出版されたら、どうぞよろしくお願いします。
思い出はいっぱいありますが、
タブラ奏者のユザーンさんと、
ミュージシャンのレキシさんと私とで
話した時のことは忘れられません。
そのふたりともが、なぜかそろって
アフロヘアのような丸いふわふわパーマなので、
両者にはさまれた写真撮影の時は、
さすがに自分の顔が小さく感じたりして。
そして、髪がめっちゃ邪魔だ、
という感情が私の表情に出てます、
と注意されたりして。
そのユザーンさんが、
ふらりと美容室に行った日のことも笑いました。
美容師さんからじっと見つめられ、
「お客さんって、アレに似てますね。レキシの…」と、
言われたユザーンさん。
「あ、そうなんですよ~、よく言われるんです。
もしやお好きなんですか?レキシ」と聞くと、
「いや、音楽の歴史に出てくる
バッハとかの髪型に似てるなあって思ったんですよね~」

と言われたんだそうです。
そっちのレキシ。
本物のレキシの方でした。
話もすっごく面白いユザーンさんですが、
他にも若い頃の笑福亭鶴瓶さん、パパイヤ鈴木さん、
稲垣えみ子さんなど、あの髪型の人に悪い人はいないな、
とふと思いました。
なんらかのサービス精神がしっかりなければ、
ずっと保持するのは大変だからです。