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清水ミチコのシミズム

世間では「言葉狩り」なんて言葉があるほど、
このところテレビでも会社でも、
発言に厳しくなっています。
「あの人は、口は悪いけどいい人なのよ」
なんていうかばい方も、
昔のようにはしなくなってきました。
しかしその一方で、なぜかこの春は、
ウィル・スミスのビンタから始まって、
映画監督のセクハラ不祥事、
吉野家のシャブ的発言と、
あまりにすさまじいニュースばかり目立ちました。
優しいほっこりとした出来事は人目を引かないため、
大袈裟な活字やニュースになったりしないから
というのもあるでしょう。
しかし、映画も吉野家の問題も、
思い出せば日大の理事長も、
裏に透けて見えるのは「昭和世代」という存在です。
長年染みついてきたアクの強いこの感性には、
急に手渡されたような令和の消毒に負けない強さが、
脈々と生き残っているようです。
かくいう私もそういう世代。
昔は、20代なのに
「おい、ババァ!」と言って、
と男性芸人から楽屋で呼ばれ、
私も「なに?」と、

怒りもせず平気で返事をしてたものでした。
なので今も、若い世代とラフに話してると、
ふと、(あれ、今の発言まずかったか?)
と思うことがあります。
もちろん私たちより前の親世代は、
もっと酷いこともたくさんあったように思います。
言葉どころか、教育にも「体罰賛成!」
なんて風潮がしっかりありました。
そう、人類はこう見えてずいぶん真っ当になってきてるようで、
実は成長途中なんですよ。長い目で見てやってください。
長いと言えば、皆さんはこのゴールデンウィークのお休みは
いかがお過ごしだったでしょうか。
私は1週間ほど、
河口湖のほとりにおりました。
優雅な休日というのではありません。
数日に渡って歌手のMISIAさんのコンサートがあり、
連続でのゲストに決まったのでした。
みずうみにMISIAとミチコという、
ミがつく名前がたくさんの、まさにミにあまる光栄です。
と、最後はちゃっかり自慢話みたいになってしまいましたが、
これも長い目で見てやってください。