HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#62

清水ミチコのシミズム

クジラに飲み込まれて吐き出された、
米国の漁師のニュースがありました。
と思えば中国は雲南省で、
たくさんのゾウの群れが一丸となって、
なぜか北へ向かって今もどんどん移動中、
という映像があったり、
最近は国内でもたびたび、
山から降りて来るクマの出没が各地で話題に。
動物界も毎日、色んなことが起こってるんですね。
ちょっと古いけど、
私は横浜で脱走した、巨大なニシキヘビの
捕獲のニュースが忘れられません。
そのニュースの時、キャスターは「ついでに」という感じで、
警察隊が近隣を捜査中、見つけるつもりはなかったのに、
普通のヘビがマンホールの中に

「群れで見つかりました」と言ったのです。
そのあとすぐCMにいったので、
巨大なヘビに比べりゃたいした驚きではなかったのでしょうか。
私はすごく驚きました。だってあんな都会で、ですよ。
「巨大なニシキヘビを飼ってる男がいた」は、
私もまだわかるのです。
めっちゃ迷惑だけど、「予想外!」と
驚愕するほどではない。
でも、「地下に普通のヤツが群れをなしてた」方が
よっぽどビビリませんか?
自然界ってすごい。地下ってすごい。
いったいあんな暗い中で、
全員で静かに何をしてたんでしょうか。
あんな映像見なきゃよかった。
逆に忘れられません。
いっさい鳴いたり音をたてたりしないから、
さらに怖いんですよね。
シーン&シーン。ペタ&ペタ。とぐろ&とぐろ。
人間も実は、もともと何の目的もなく生まれてきて、
幸せになるためなどと、理由をあとづけして、
いろいろ頑張るらしいのです。
動物が何を考えているのかは分かりませんが、
クジラもゾウもクマも一応は目的がありそうに見えます。
なのにあのコたちだけは、
特に何も考えてなさそうなのが本当に怖いです。
ちなみに捕獲されたあのニシキヘビは、
「何匹か飼ってたうちの、二番目に大きいタイプ」
だったそうで、
まだ上がいるのか!と思うと、
自分がとぐろを巻きました。