HOME > 清水ミチコのシミズム > 清水ミチコの「シミズム」#34

清水ミチコのシミズム

このあいだ、私のふるさと、
飛騨高山でミニライブをやってきました。
地元の方にお呼ばれしたわけなのですが、
これを口実に久々に二日間、実家でのんびりしました。
親友の萩原公子さんも遊びに来たりして、
家族と一緒に昔話などするうちに夜は更けて行き、
私たちもすっかり老けてきた、
という話でまた盛り上がりました。
老けるということは、
色んなものがだんだんはがれて行って、
その人の本質だけが残るようでもありますね。
結果、おまえは、私はこういう人だったのね、という。
なので、あなたは幼い頃はこんな風だった、
若い頃はこんな事が好きだった、などという、
過去の経緯、過程を知ってくれてる人は貴重な財産。
その親友の公ちゃんは、思えばいつもニコニコしてたし、
今日もニコニコしてました。
もちろんニコニコだけじゃない時も経て、
ニコニコが残ったのでしょうけど。
ところで、私に残ったのは面白がり屋、
ってところじゃないかと思います。
人を楽しませたい、というのは今の職業の基本ですが、
私の奥にある個性としては、どうも昔から一人、
心の中で楽しんでるフシがあるのです。
それを証明するような話が出てきて驚きました。
なんと、私のひいおじいさんは、
「ウソつきえいざ(栄三郎)」
と呼ばれてた人物で、
自分の楽しみのためにしょっちゅうウソをついてたんだとか。
近所の方に教わったのですが、
初めて聞いて、とても嬉しかった。
嬉しかった、というのもナンですが、
自分はその性質をすごく受け継いでる、
とワケもなく納得できたのです。
だいたいモノマネそのものが、ウソをつくのと表裏一体。
この快感はヒイ爺ちゃんからの賜物だったのね!
ところでそんな高山でのウソつきライブが終わった時のこと。
代表者がステージで私にお礼を言ってくれました。
「今日は、ありがとうございました。

清水さんにキンシン感が持てました。」

(親近感だろ!)
私はまたここで一人、面白がっていたのでした。