HOME > MEGLOG【編集日記】 > <会見レポート!>KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」。長塚圭史演出「近松心中物語」に田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河らが出演!音楽はスチャダラパーが担当!

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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」の製作発表会見が、7月20日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで行われました。会見には演出で同劇場の新芸術監督である長塚圭史をはじめ、出演の田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河が登壇。この会見の様子をレポートします。

「近松心中物語」は、神奈川県横浜市出身で戦後を代表する劇作家・秋元松代の戯曲で、近松門左衛門の「冥土の飛脚」をベースとし、いくつかの近松作品の要素が加えられています。1979年、蜷川幸雄の演出により東京・帝国劇場で初演されて以来、その上演は1,000回を超えるという日本演劇界の金字塔とも称される作品です。今回は長塚圭史が演出を担うということで、田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河をはじめとした出演者19名と新たな「近松心中物語」をどう作り上げるのか楽しみなところです。劇中では元禄時代の大阪・新町を舞台に、飛脚宿亀屋の養子・忠兵衛と新町の遊女・梅川、忠兵衛の幼なじみで古道具商傘屋の婿養子・与兵衛と、その女房・お亀の男女2組の物語が展開する。
会見で長塚は秋元作品の魅力について「簡潔でありながら非常に意味深く味わい深いセリフの魅力に惹かれました」とし、以前演出した秋元作品「常陸坊海尊」を経て「近松心中物語」を読み、その魅力を再確認したと言います。物語については「身分制度も厳しい時代の中で行き場がなくなり死を選ぶ梅川と忠兵衛、裕福ながらも心中という物語に恋してしまうお亀と生への執着を捨てられない与兵衛、この2つのカップルの様は格差の広がる現代においても非常に雄弁なのではないか」と、この物語の普遍性を語りました。さらに「一目惚れというのは大変なこと。電気みたいなものが走って惹かれ合うという、この肉体性の高さに僕は色気を感じます。そして心中。永遠を手にするために大好きな夫と死のうとするというのにも肉体的なエネルギーを感じます。」と語りました。


左から演出の長塚圭史、出演の笹本玲奈、田中哲司、松田龍平、石橋静河

そして本作の音楽を手がけるのは、ラップグループのスチャダラパー。長塚は「スチャダラさんが『近松心中物語』ってビックリしませんか?でも、この戯曲を読んでいると江戸時代の元禄から現代に通じるトンネルがグッと開くのを感じました。そのトンネルをどうつなごうかと考えたとき、スチャダラさんが浮かんだんです」と起用の理由を明かしました。


出演者の田中は「忠兵衛は僕にとってハードルが高く、心して挑まなくてはならない役。出演者の皆さんがどんな世界観や価値観を持ち込んで挑むのかとても楽しみ」と抱負を述べました。松田は「長塚さんの作品出演は3作目。そのうち1作は田中さんとご一緒していますので、心強いなと思いながら楽しみにしています」とし、笹本は「私にとって試練になるだろうと思っています。長塚さん作品も和物の舞台も初めて。共演の皆さんとも初めましてですが、心強い方ばかりなのでついていけば大丈夫だなと思いました」と初めて尽くしの心境を語りました。石橋は「とてもボリュームのあるこの脚本を読み終えた時、『なんて儚いんだ』という刹那を感じました。最初に抱いたこの印象を大事にしながら、お亀という役をそのまま真っ直ぐ演じられたらと思いました」と今の心境を語りました。愛知・豊橋公演は10/1(金)〜3(日)、大阪・枚方公演は10/13(水)で予定されています。その他の公演については公式サイトからご確認ください。

「近松心中物語」
<豊橋公演>
10/1 FRIDAY〜3 SUNDAY【8/14(土)〜チケット発売】
■会場/穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
■開演/10月1日(金)18:00、10月2日・3日(日)13:00
■料金(税込)/全席指定 S¥10,000 A¥8,000 B¥6,000 ほか
■お問合せ/メ~テレ事業 052-331-9966
プラットチケットセンター 0532-39-3090
*未就学児入場不可
<枚方公演>
10/13WEDNESDAY【8/18(水)〜チケット発売】
■会場/枚方市総合文化藝術センター 関西医大 大ホール
■開演/14:00
■料金(税込)/全席指定 A¥7,000 B¥5,000
■お問合せ/枚方市総合文化芸術センター別館 TEL.072-843-5551
*未就学児入場不可