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清水ミチコのシミズム

日々色んな仕事に就くのが私の職種ですが、
特に大好きなのはラジオです。
メイクもせずに誰かと取り留めのないことをラフに話すのは、
もはや趣味の領域です。
ナイツの二人と毎週ニッポン放送
「ラジオビバリー昼ズ」木曜日を担当させてもらってますが、
もうこの3人でのレギュラーも10年ほどになります。
こないだは、土屋さん(メガネのほうの方ね)の顔が、
どうも人の印象に残らないらしい、
という話題になったことがありました。
土屋さんは、そんな事にはもう慣れてるみたいなのですが、
しょっちゅうスタッフと間違われてたり、
塙さんの横に違う人がいても、
ナイツのコンビだと一方的に認識されてたり。
いつぞやは名古屋行きの新幹線でバッタリ会ったのですが、
挨拶された私は、まったく誰かわかりませんでした。
その思いが顔に書いてあったのか、
それを察した土屋さんが瞬時にマスクを外してくれました。
「僕ですよ」という感じです。でもそれなのに、
私は(人なつっこい人だな)と思って、
他人行儀な笑顔で会釈したという。
ラジオの放送中に、この3人で真面目に考えました。
印象に残りにくい理由は何なのか。
顔が薄いのか、オーラがないのか、
ひっかかりがないのかなど。
何かの犯人になった時だけは捕まりにくい顔だから、
万が一の時は(どんな時だ)逃走しやすいとも考えられるし、
案外直すこともないのか、など言いあって笑ってました。
そしてつい先週のことです。
私は近所にあるスポーツジムに通っているのですが、
週に一度のピラティスのレッスンを受け始めて、4年にもなります。
先生は外国人のムキムキの女性インストラクターさん。
その彼女が私に近づいてきて、
耳もとでこう言うではありませんか。
「アナタ、ハジメテ?」

えええー!私のこと覚えてないの?でした。ぽかーん。
私は4年目ですよ、という意味で指を4本立てました。
すると「ヨンドメ?」と聞くインストラクターさん。
4年や!この時になって私は初めて、
土屋さんの気持ちがよくわかりました。