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清水ミチコのシミズム

先日、笑福亭鶴瓶さんのラジオにゲストで出ました。
鶴瓶さんと言えば福顔と呼ぶのか、
運気のよさそうなリッチなお顔立ち。
そしていつもニコニコと笑顔で、
おだやかな雰囲気なのですが、
たまにあの宝くじのCMで見せる、
『買わないという選択肢はないやろ』
の一瞬をのぞかせることがあって、
いつもハッときては笑ってしまいます。
元号が令和になってすぐ、
偶然バッタリお会いしたのですが、開口一番、
「令和になって初めて会う芸能人が清水ミチコて。運気下がるわあ~。」
と、ボヤいてました。突然、人を貧乏神みたいな設定に。
失礼しちゃいます、ホント。
それでも清濁あわせ持つあの感じは、
誰にもマネできないというか、
今どきの若い人にはなかなかいない雰囲気がありますね。
もしかしたら政治家に向いてたんじゃないか、
とすら思うときがあります。
ところで、ラジオでしゃべるうちに思い出したことがありました。
ずうっと昔、私がまだこの業界に入ってホヤホヤの頃の話。
たまたま大先輩の鶴瓶さんファミリーと、
私の家族がグアム島でバッタリ鉢合わせせしたことがありました。
ちょうど『笑っていいとも!』でご一緒してた頃なのですが、
「偶然ですね~」と、挨拶から立ち話をしていたら、
関西の観光客の方に囲まれました。
「写真を一緒に撮ってほしい」と言われ、
「いいですよ」と返事をし、全員でパチリ。
ところがです。その中のおじさんが「鶴瓶ちゃん、
ありがとなあ」と言いながら、ふと私を指さして、

「ところでさっきから、あんたさんは誰や?」
と聞いてきたのです。
言い方も素朴で、率直な気持ちをつぶやくというカンジで、
めっちゃ恥ずかしかったです。
私はてっきり私とも写真を撮ってほしい、
と言われたとばかり思い、
一緒に笑ってピースサインを出してたのでした。
「あっ!清水ミチコと言います。なんかすみません。」
この一件は、のちのち鶴瓶さんから
何べん笑われたかわかりません。
全然ピースじゃなかった。ああ悔しい。