HOME > MEGLOG【編集日記】 > <試写レポート!>ふぉ~ゆ~の越岡裕貴が初主演! ミュージカル時代活劇をもとにした映画「まくをおろすな!」が公開!

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ジャニーズ事務所「ふぉ~ゆ~」の越岡裕貴が映画初出演にして初主演を果たした。作品は2020年の舞台作品を映画化した「まくをおろすな!」だ。試写当日は舞台版の製作総指揮で、今回初監督・プロデューサーを務めた清水順二が来名。撮影秘話などを聞かせてくれた。

映画「まくをおろすな!」は、清水順二率いる演劇ユニット「30-DELUX」が2020年に公演したミュージカル時代活劇を原案としている。コロナ禍になって以降、若い世代が次々と夢を諦めて舞台を去っていくことに、清水は歯痒さを募らせていた。しかし彼は自らが新しい世界=映画に挑戦することで、何か夢を示せるのではないかと考えた。主人公のブン太こと紀伊国屋文左衛門に「ふぉ~ゆ~」の越岡裕貴、モン太こと近松門左衛門にはモデル・俳優として活躍する工藤美桜を起用。フレッシュなバディ物に仕立て上げた。

歴史上の人物は他にも、吉良上野介義央、浅野内匠頭長矩、松尾芭蕉、由井正雪、大石内蔵助、大岡越前守忠相、堀部安兵衛らが登場。彼らは「生類憐れみの令」で知られる五代将軍徳川綱吉の御代に騒乱を巻き起こす。越岡の共演には同じくジャニーズの寺西拓人や原 嘉孝、高田 翔、室 龍太、さらには岸谷五朗、竹中直人、緒月遠麻、坂元健児と、巧者ぞろい。監督の清水も浅野内匠頭役で出演している。


清水が「舞台と映画のハイブリッド」と言ったとおり、劇場内で撮影されたシーンとロケ地で撮影されたシーンが自由自在に交錯。激しい殺陣やアクションで緊迫した空気を作ったかと思えば、歌ありダンスありでスクリーンを賑やかに彩り、コメディさながらの掛け合いで客席に笑いを生む。やりたいことを存分に詰め込んだような作品だが、その過程には映画の世界であまり行われない入念な「稽古」があったという。これは舞台経験豊かな俳優が多く参加していたゆえの裏話で、創作の方法からしてハイブリッドだったからこそ、ちょっと見たことのない映画が誕生。カット数1100以上というのも驚かされる。
「まくをおろすな!」はエンタテインメント映画で間違いないが、清水いわく「時代劇だけど現代劇として描きたかった」という想いが根底にある。端的なところでは時代考証にとらわれないセリフからうかがえる一方、背景が現在の日本と重なって見える点にはゾッとさせられる。経済格差、政治不安、疫病蔓延……。誰かが引き金に手をかければ簡単に暴発してしまいそうな社会の物語は、言い表しようのない余韻を残して終わるのだった。
なお、清水は中京大学体育学部卒で、生粋の名古屋っ子であることから「ナゴヤ色」も意識。SKE48の井田玲音名と田辺美月のほか、岡崎市出身でWAHAHA本舗所属の俳優・我善導、岐阜県下呂市出身のお笑い芸人・流れ星☆ちゅうえいなど、ナゴヤ文化圏にゆかりのある面々を積極的にキャスティングして、映画により華やかさを添えつつ地元愛をも込めた。地元・中部地区では1月20日(金)から順次公開される。

ちなみに、新たに立ち上げられた演劇のプロジェクト「30-DELUX NAGOYA」が、2023年3月2日(木)~5日(日)、名古屋市中川文化小劇場にて新作舞台「SHAKES」を公演予定。映画の後は、彼らの生のステージも体験してみてほしい。

◎Interview&Text/小島祐未子


1/20 FRIDAY~109シネマズ名古屋ほかにて上映
映画「まくをおろすな!」
(2023年製作・113分・日本)
監督・プロデューサー:清水順二
脚本:竹内清人
音楽:杉山正明
出演:越岡裕貴、工藤美桜/寺西拓人、原 嘉孝、高田 翔、室 龍太/緒月遠麻、坂元健児、田中 精、椙本 滋、清水順二/竹中直人、岸谷五朗
配給:ショウゲート
公式サイト https://www.makuoro.com/