HOME > MEGLOG【編集日記】 > <会見レポート!>俳優・須藤蓮による初監督作品!自主制作映画『逆光』が6/25(土)から名古屋シネマテークにて上映!

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 これまで、ドラマ版「ワンダーウォール」、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」、連続テレビ小説「なつぞら」などに出演し、俳優としてキャリアを積んできた須藤蓮。そんな彼が主演・初監督を務め、脚本家の渡辺あやとの共同企画で誕生した自主制作映画が『逆光』だ。1970年代の広島・尾道を舞台に、2人の青年の情愛を繊細な心模様で描く文学的かつ官能的な青春映画だ。


須藤蓮監督に映画化の経緯を尋ねると「脚本の渡辺あやさんと『ワンダーウォール』という作品で知り合いました。とても尊敬できる方で、彼女と仕事したいという気持ちが湧き上がってきたんです。そんな頃、コロナ禍になり、『ワンダーウォール 劇場版』のイベントプロモーションも出来なくなり、撮影現場もストップしと、自分自身が八方塞がりになってしまいました。これから、どうしたらいいか考えている時に『そうだ!渡辺あやさんと仕事したい!』と再び思い始めました。それで、彼女に企画というか脚本みたいなモノを提示し、それをコテンパンにダメ出しされ、というやりとりを何回かしてみたんです。それで気づいたのが、自分の脚本は良くないということ。いい脚本をかける人は、渡辺あやさんしか知らないし、一緒に仕事をするには、自分が出る作品を渡辺あやさんに書いてもらって、それを誰かに撮ってもらうということでした。そこから、企画がスタートして脚本が出来たのですが、撮ってくれる人がいない。自分自身としては、監督やるなんて今までの人生で1度も思ったことなんてなかったし、そんな自分が『撮る!』っていい出せるわけはなく、企画がストップ。そしたら渡辺あやさんが『君が撮れば?』って言ってくれたんです。そこから主演・監督という形で『逆光』がスタートしていきました」と、見た目のクールさとは裏腹に、思い立ったら猪突猛進な性格を披露する。


須藤蓮

 この作品は、コロナ禍の尾道で、脚本の渡辺あやと監督・主演の須藤蓮が互いの持続化給付金を持ち寄って作った完全自主制作映画。尾道でのロケのエピソードを須藤監督に尋ねると「初めて尾道に行ったのは、『ワンダーウォール 劇場版』で尾道映画祭に参加した時です。まさか自分がここで映画を撮るとは思っていませんでした。いざ映画を撮ることになった時には、とにかく自分の足で全て見て回ろうと思ってカメラマンと2人で、2週間1日14時間くらい毎日とにかく歩きました。ずっと歩き回ってたら、『映画を撮るために歩いている須藤という男がいる!』って噂が尾道で流れたようで、そうしているうちに、『手伝いますよ!』って言ってくれる人が1人ずつ現れて、協力してくれそうな方々のコネクションを持つことができたんです。ただ、歩いていても室内のロケーションって見つからないじゃないですか?その致命的なミスに途中で気づき、室内のロケ場所探しに苦労しました。自分の足だけでは解決できないこともあるし、人の力を借りるってことの偉大さに気づきました。ロケハンでは、絶対ここだと思ったら絶対に口説く!『こういう映画をやるんです、とにかく面白い脚本があって、若い人たちがとにかく面白いこと仕掛けてるんです!僕本気なんです、良かったら貸してください!お金は無いです』と、本当にこの説得作業をひたすら繰り返して、尾道の方に力貸してもらって、街と一緒に切り開いていくっていう感じでした。コツとかではなく、本気かどうかでした」と、ここでも熱い一面を披露。


渡辺あや

 映画『逆光』は、広島県尾道市で撮影し、まずは尾道市から上映をスタートさせた。通常の「東京から地方へ」と逆行する「地方から東京へ」という、従来とは全く逆の配給展開を実践し、須藤監督が上映期間、その地方に住み込み、現地でプロモーションをするといいう新たな映画配給の可能性に挑戦している。なぜこのスタイルを選んだのかを須藤監督に尋ねてみた。「尾道では、ポスターを担いで商店街の端から端まで全部挨拶して回りました。全部貼っていったら、予定していた全国分のポスターを尾道で使い切ってしまって(笑)。尾道では草の根戦略を自分自身が実践しました。お金も別にないし、尾道から公開を始める監督なんてまずいない。じゃあ自分でやってみよう!人と人が繋がっていく光景は、撮影の現場で体験できていたし、今度は上映のタイミングでも人と人を繋げてみたいと思ったんです。ひたすら挨拶してポスターを貼る、チラシを配る、イベントで人を集めるを繰り返しました。トライ&エラーの繰りかえしでしたが、尾道ではかなりの動員を記録できました。京都ではドラマ版「ワンダーウォール」、『ワンダーウォール 劇場版』でのコネクションもあったので、ここでも人と人をうまく結びつけることに成功しました。今度は名古屋で、どんな展開を見せることができるのか?とても楽しみです」と、6月25日(土)から名古屋シネマテークでの公開に期待を寄せた。

◎Interview&Text/川本朗(リバブック)


◎『逆光』初日舞台挨拶
日時:6/25(土) 20:15〜の回上映終了後
会場:名古屋シネマテーク
ゲスト:須藤蓮(主演・監督)、渡辺あや(脚本)

◎関連イベント
監督・主演 須藤蓮×脚本 渡辺あや トークショー
「自主製作・配給・宣伝でめざしたもの、そして見えた世界」
日時:6/24(金) 18:00〜19:00
会場:TSUTAYA BOOKSTORE 則武新町
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渡辺あや 企画構成・岩崎太整 音楽プロデュース
「一日限りの昭和歌謡ショー in ぎふ柳ヶ瀬夏まつり」
日時:7/23(土) 15:00〜16:30
会場:岐阜・ロイヤル劇場(岐阜市日ノ出町1-20)
料金(税込):¥1,500(予定)
*ぎふ柳ヶ瀬夏まつりは7/23(土)・24(日)で開催
 昭和シネマをテーマに様々なイベントを予定
 映画『逆光』の上映会がメイン上映作品です

6/25 SATURDAY〜名古屋・シネマテーク ほかにて上映
映画『逆光』
(2021年製作/62分/日本)
監督:須藤蓮
出演:須藤蓮、中崎敏、富山えり子、木越明、SO-RI、三村和敬、河本清順、松寺千恵美、吉田寮有志
企画:渡辺あや、須藤蓮 脚本:渡辺あや 音楽:大友良英 
プロデューサー:上野遼平 エグゼクティブプロデューサー:小川真司
制作・配給:FOL 制作協力:Ride Pictures 配給協力:ブリッジヘッド
公式サイト http:/gyakkofilm.com