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 1/14(祝)に開催された「青春のグラフィティ コンサート 2013」を観てきました。往年の名曲はどれも素晴らしく、それぞれに思い出深く聴けたのですが、ことさらムッシュかまやつさんのパフォーマンスは異彩を放っていました。
 内容は、ご自身が影響を受けた音楽、ジャズやカントリー&ウェスタン、ロカビリー、ロックといった変遷を自身の演奏と歌唱でなぞり、スパイダースとソロの代表曲も織り交ぜるいうラインナップ。驚くのは、スパイダースやソロの曲が少しも色褪せて聞こえないということ。楽曲そのものの魅力も、もちろん理由のひとつでしょう。でもそれ以上に、ムッシュ本人が今も相変わらずロックし続けているからだと感じました。それは演奏にも表れていて、ムッシュのオリジナルコード(!)を駆使したギター演奏は、ときに原曲よりも洗練された仕上がりを見せます。昔を懐かしんで歌っているわけではなく、今の人に向けて今の形で歌い上げ、本人が心底それを楽しんでいる。しかも気負いがない。 
 「未だ現役」、「74才とは思えない」というような、安っぽい年齢のものさしはムッシュにとってはナンセンス。「74才、だからなんなの?いいじゃん」というほうが、むしろしっくりくる。誰しも必ず年をとるし、しわもできれば贅肉もつく。でも、スピリットまで朽ちてしまえば、もはやアーティストではなくなります。見た目の若さを自慢する老人は見ていて辛いもの。けれど、相応に年をとりながらも気負いなくロックし続けるムッシュは、いつまでも見ていたい存在です。

(FUKUMURA)