HOME > Web 限定インタビュー > 髙木凜々子インタビュー

国内外のコンクールで数々の受賞に輝き、近年活躍めざましい期待の若手。Instagramのフォロワー数2万人、YouTubeのチャンネル登録者数が3.33万人とSNSでも絶大な人気を集めるヴァイオリニストが、昨年8月に続き、7月の名古屋・電気文化会館(ザ・コンサートホール)に再登場。

最新アルバムの『リリコ・カンタービレ』が好調ですね…音楽専門誌でも高く評価されていましたし。特に楽曲の内面に深く迫った〈ショーソン:詩曲〉が素晴らしかったです。

ありがとうございます。〈詩曲〉はずっとレコーディングしたかった曲なんです! 今回のアルバムでは特に繊細で美しい“弱音”の魅力にこだわり、すべての演奏に愛を込めて、タイトルの“カンタービレ(歌うように)”さながらに“歌心”を皆さんにお伝えしたかったのですが、うまく表現できていたでしょうか?

はい、バッチリでした! さて、7月9日名古屋でのリサイタルは、CDのような小品名曲集とはまたがらりと違う内容です。昨年の8月に同ホールでフランクのヴァイオリン・ソナタやベートーヴェンの第2番ソナタなどを演奏されたのも記憶に新しいですが、今回もピアニストと一緒に作り上げる、聴き応えのある大曲が揃っていますね。

テーマは“激アツ”な名曲たち(笑)。ピアニストの五十嵐薫子さんの存在が大きい…彼女がいたからこそ挑戦できたプログラムです。去年初めて共演してまだ1年もたってないのに、お互いに言葉ではなく音だけで会話ができる仲。最高のパートナーなのです。


お二人での6月18日東京文化会館のリサイタルも大成功でした。

ありがたいことに満席で、とても嬉しかったです。7月のリサイタルも沢山の方が聴きに来ていただけますように…五十嵐さんは名古屋で演奏するのは初めてらしいので、一緒に盛り上げたい!

東京文化会館ともまたひと味違うプログラムになっていますね。オープニングがモーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ 第22番 イ長調K.305 というのも鮮烈な幕開けです。

モーツァルトのソナタの中で特に一番人気という作品ではありませんが、とにかく華やか。弾むような明るい雰囲気で五十嵐さんの名古屋デビューにもぴったりで、皆さんに「これが私たちの音です」って示すような曲。きっと気に入っていただけると信じています。

映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズの〈悪魔のダンス〉(映画《イーストウィックの魔女たち》より)は近年、ヴァイオリンの女王アンネ=ゾフィー・ムターも、ウィリアムズ本人の指揮でウイーン・フィルと共演した時に演奏して話題を集めましたが、髙木さんはそれ以前からとりあげていましたね。

はい。2016年あたりからリサイタルでよく演奏していますが、今では最初の頃よりもかなりダークに“悪魔的”に弾けるようになったかと思います。今回、モーツァルトの第22番ソナタがピュアでポジティヴな印象を与える曲なので、それとは対照的な作品として楽しんでいただけたらと思います。

ヴィエニャフスキー:華麗なるポロネーズ 第2番 イ長調作品21 にも期待しています!

ありがとうございます。1番の方が有名で、2番を弾くのは名古屋では初めてになります。母(※読売日本交響楽団のヴァイオリニスト、井上雅美)が好きな曲でよく演奏していたので、いつか私も…と思っていたのですがなかなかチャンスに恵まれなくて、今回やっと実現します。2番は音も高いところから始まるので気持ちが“上がる”し、自由に遊べる。技巧的な部分も多い難曲ですが、ぜひ名古屋で成功させて自信に繋げて、自分の定番レパートリーに加えてたいのです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ短調 作品47「クロイツェル」もヴァイオリニストにとっては試金石となる重要な曲です。

3月のリサイタルでも五十嵐さんと一緒に挑戦したばかり。前回に比べると少し余裕も出てくるはずなので、私らしい“遊び心”も盛り込みたいですね。もちろん天才ベートーヴェンの素晴らしさもしっかりと表現したい。

1702年生まれの名器ストラディヴァリウスとの関係は深まりましたか?

コロナ禍でおうち時間が増え、じっくりと向き合うことができたので、かなり仲良くなれたと思います。最初の頃は全然言うことを聞いてくれなかったのが、3年目にしてやっと「こう思うんだけどどう?」って語りかけたらちゃんと応えてくれるようになった気がします。更に関係を深めて、楽器の持つ個性も発揮できるように頑張ります!

凜々子&薫子のお二人で名古屋にも旋風を巻き起こしそうですね。

盛り沢山なプログラムなので、それぞれの作曲家の“顔”がよく見えるステージにすると共に、私たちのフレッシュな魅力もお伝えしたい。地元名古屋の人に加えて、各地から足を運んで下さいますように。

InstagramやYouTubeも楽しみにしています。パソコンでヴァイオリンの曲を検索すると、いつも髙木さんの演奏がお薦めの上位に来るの、本当に凄いと思います。

友達には「まるでヴァイオリンの図鑑みたいだね」って言われています(笑)。以前にも申しましたが、私がSNSに力を注ぐのも、やはり興味を持ってくれた方に生の演奏を聴きに来て欲しいから。会場で皆さんをお待ちしています!

◎Interview&Text/東端哲也


7/9 SATURDAY
髙木凜々子 ヴァイオリン・リサイタル
〜華麗なるクロイツェル〜

チケット発売中
■会場/電気文化会館 ザ・コンサートホール
■開演/14:00
■料金(税込)/全席指定 ¥4,000 サイン入りCD付き ¥7,000
*CDは会場でお渡しします
■お問合せ/クラシック名古屋 TEL.052-678-5310
※未就学児入場不可

<学生ハピネスシート>
★4,000円のところ2,000円でご鑑賞いただけます。
★お一人様1枚まで。
★社会人学生を除く公演日当日に25歳以下の学生が対象です。
★公演当日、学生証を入場時にご提示ください。尚、証明書をご提示いただけない場合、
一般料金との差額を頂戴いたします。
★学生ハピネスシートは、アイ・チケットWebのみ取扱い。お電話ではご予約いただけません。