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110万部を突破した青柳碧人の推理小説「浜村渚の計算ノート」がミュージカルとなって上演される。主人公の天才数学少女・浜村渚を演じるのは、厳しいオーディションを経て選ばれた新星、桑原愛佳だ。「レ・ミゼラブル」をはじめミュージカルで着実にキャリアを重ねてきた彼女に、現在の心境や作品の魅力などを尋ねた。

オーディション当時はどんなお気持ちでしたか。

オーディションはテレビの密着取材もあり、そういう体験がまず初めてでした。また歌唱審査の課題がポップスだったんですけど、ポップスをオーディションで歌うのも初めてで、ポップスの曲調に合わせてダンスを踊るのも新鮮でした。さらにエチュード審査も初めてだったので、自分にとって新しい挑戦が多く、終始、緊張していました。最終審査で名前が呼ばれた時は本当に信じられなかった半面、うれしさもすごくありました。選んでもらったからには頑張ろうと、気が引き締まったことも覚えています。

台本はどんな印象ですか。

たぶん笑いが起こるんだろうなというシーンが台本を読むだけでもいくつかあって、キャストが演じることでもっと面白くなると想像しています。もともと原作の小説でも登場人物の人間関係が面白く描かれているんですよ。特に渚ちゃんと刑事の瀬島さんはじゃれ合うような場面もあって、いい関係性が表現されているなと感じます。コミカルな掛け合いのある役をあまりやったことがないので、テンポ良くやっていけたらいいなと思いますし、共演者の方々から学べる部分も多いのではないかと考えています。



他のミュージカルとの違いを感じる点はありますか。

まず数学を題材にしているミュージカルというのが、なかなかないんじゃないかと。そしてミステリーの要素もあるので、台本を読んだり楽曲を聞いたりしていても歌い上げるような感じではなく、あまりミュージカル、ミュージカルしていない気がします。サビもちょっと口ずさめるような、ポップなところがあるんですよ。ドラマ性も豊かでエンタテインメント作品という印象ですね。事件もどんどん解決されていくので、観終わった時にはお客様はスッキリすると思います。同時に、渚ちゃんのように自分の好きなものを好きでいることの大切さとか、そこに生まれる希望とかも感じられるので、ただ単に面白い、楽しいだけではなく、ちゃんと感動できる舞台になるんじゃないかと思います。

ミュージカルを軸に活動していきたいですか。

そう考えています。ミュージカルを好きになったきっかけは、お母さんがミュージカルをよく観ていて、子どもができたら一緒に行きたいとも思っていて、私を連れていってくれたからなんです。そうしたら観終わった後に私が「やりたい、やりたい!」とずっと言っていたらしくて。小さい時のことなので、あとでお母さんから伝え聞いた形ではありますけど、初めてミュージカルを観て「やりたい」と思った感覚はなんとなく記憶しています。

俳優としての心構えはありますか。

稽古場では心をオープンにして、いろんな意見が入ってきやすくすることを意識しています。長期公演では毎回同じというより、他の役者さんのセリフに対して瞬間瞬間で反応して、自分の演じている役がセリフを返すことが大事だと考えているので、上演を重ねる度に役が馴染んできます。ただ、逆に慣れ過ぎてしまってもダメなので、その塩梅が難しい。千秋楽に向かうにつれ、自分自身どんどんやりやすくなるというか、役がちょっとずつ自分に浸透していいく。稽古で土台は作れるけど、やっぱり本番ならではの空気感が役作りに作用しますね。

名古屋の観客にメッセージをお願いします。

「レ・ミゼラブル」で滞在した時、名古屋には優しい方々が多いなと感じました。名古屋の空気が好きなので公演できることが本当にうれしいです。数学に苦手意識のある方はいらっしゃると思うんですけど、そんなの全然関係なく、多くの方に楽しんでもらえる作品。
楽曲もいいですし、物語や人物像、関係性なども面白いので、ぜひ観に来てください!

◎Interview&Text/小島祐未子



9/9 SATURDAY・9/10 SUNDAY
ミュージカル「浜村渚の計算ノート」
チケット発売中
■会場/ウインクあいち
■開演/9月9日(土)12:00/16:00、10日(日)12:00
■料金(税込)/SS席(特典:特製ブックカバー付きパンフレット)¥12,800 S席 ¥9,800 A席 ¥6,800
■お問合せ/キョードー東海 TEL052-972-7466