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お笑いコンビの流れ星☆・ちゅうえいが、舞台『Run for your Wife』で俳優デビューを飾る。本作は、1983年に発表されたイギリスの劇作家、レイ・クーニーによるシチュエーション・コメディで、1980年代のイギリス・ロンドンを時代背景に、ごくごく普通に見せかけて、実は秘密裏に重婚生活を送るタクシードライバーのジョン・スミスが、嘘に嘘を重ねて悪戦苦闘し、幸せな生活を守り抜こうとする王道のドタバタ劇だ。主役のジョンを演じるのは今江大地(関西ジャニーズJr.)。二人の妻、メアリーを新垣里沙、バーバラを緒月遠麻が演じる他、ジョンに巻き込まれるドレスメーカーのボビー・フランクリンをちゅうえいが担う。本作で俳優業に初挑戦するちゅうえい、40歳を迎え、活動の幅を広げたいと考えていたところに飛び込んできた”朗報“にすぐさま快諾したというが、その1分後には不安が押し寄せたと笑い、稽古場での日々について教えてくれた。

演じるのはドレスメーカーのボビー・フランクリン。ボビーはどんな人物でしょうか?

ゲイの役です。テレビのバラエティー番組などで見るおネエとか、わりとキャラが強いじゃないですか。もちろん、ボビーも強いのですが、ボビーの周りにいる人たちの方がもっとキャラが強いんです。大胆な行動をとったり、奇想天外なことばっかりするので、ボビーはその中に埋もれちゃってますね。ボビーの周りの人間は、常軌を逸脱していて、やべえですよ(笑)。見終わった後、ちゅうえいが一番まともだって思われるのではないでしょうか。

他のインタビューでも舞台出演は「不安しかない」とおっしゃっていましたが、どういった点に不安を感じますか?

この作品はフリーゾーンがないんですよ。みんなでテンポよく、決まったセリフをぱっぱっぱっとキャッチボールして、積み重ねて、積み重ねて、笑いを生んでいくみたいな。全員で笑いを生むコメディなので、誰かが一つでも間違えたらもう、ガタガタガタ~って崩れちゃうんですよね。俺、「間違えるな」って言われちゃうと一番、緊張しちゃうんで。お笑いでは間違えてもアドリブでごまかして、のらりくらりやってきたので、そののらりくらりが使えないので緊張感がハンパないですね。

演出家の野坂実さんから、演じるにあたって何か具体的なアドバイスなどありましたか?

最初に読み合わせをした時からすごく不安で、野坂さんに「僕、本当に分かんないんで、何でも言ってください」って言っていたんです。「今のところ、合ってますか?」って聞いたら、「ちゅうえいさんは、今のままで頭に入れていってください。それで大丈夫だよ」って言われて。そこから毎回、稽古のたびに聞くんですけど、何か大きなことを言われることもなくて。……ちょっと俺、才能が開花したんじゃないのかなって思います! だから、いい感じで勘違いしてきているので、最近は家を出る時には「今日も俳優さんのお仕事をしてくるね!」って奥さんに言ってます! そういえば、野坂さんと子供に「臭い」って言われるとへこむよねっていう話で盛り上がりました。「子供に臭いって言われて、もうどうしようもできないんだよ」って野坂さんが言っていて、俺も「そうなんですよ」って。「朝、起きて2歳の娘に『おはよう』って言うと『おぇっ』ってやられます」って言ったら盛り上がりました! 演出家と芸人の枠を越えた、二人の初老の男性の話です(笑)。

そういったプライベートのちょっとしたことも分かると、より親密になりますよね。

そうですね、そこから野坂さんとも仲良くなりました!

共演者の今江さん、河下楽さんは、関西ジャニーズJr.でも活躍されています。関西ジャニーズJr.はコントなども舞台で披露されますが、お二人にお笑いの可能性を感じられることはありますか?

作品を観ていただくと分かると思うんですけども、今江君とか、河下君の台詞は僕の台詞の100倍ぐらいあるんですよ。パーっ!!て喋り続けるんですね。今、稽古していますが、これからどんどん速くなってくるので、これ以上テンポが速くなってきたら息継ぎするところがないんじゃないかっていうくらい。僕が言うのも生意気ですけど、二人は稽古の初日から全然違っていて、キャラがどんどんどんどん見えてきて、すでにもう生きていました。コメディで笑いをとるということがすごく上手いなと思って、感心して見ています。僕なんて、彼らの1/100のセリフ量で間違えます。あと、これは作品とは関係なく、ただ僕がいつも思っていることなのですが、稽古中もみんな感染対策で常にマスクをしているんですね。今江君に怒られるかもしれないですけど、今江君、マスクをしているとサンシャイン池崎に似てるな~と思ってます(笑)。

そのことをご本人にお伝えしたことは?

ないです。どっかの回のカーテンコールで言おうと思ってます。



『Run for your Wife』名古屋公演は、地元・岐阜の方も楽しみにされているのではないでしょうか。

皆さんに先に謝っておきたいのが、「ちゅうえいって本当はかっこよかったんだ…」と思わせちゃうかもしれないってことです。それはごめんなさい! ちゃんとしたらちゃんとかっこいいんだって思わせちゃうところは、先に謝っちゃいますね! すみませんでした! 

トラウトン警部役の清水順二さんは愛知県のご出身です。地元が近いがゆえの親近感などありますか?

清水さんが稽古中、ことあるごとに「カーテンコールのギャグ対決は負けませんよ」って言ってくるんですよ。何でかギャグ対決する気満々で。それは楽しみですね。ギャグの練習風景も見たことあるんですけど、「パカンちゅうえい」という俺のギャグをやってました。「清水さん、『パカンちゅうえい』っておかしいでしょう」って。それを我善導さんがずっとそれを見ているんですけど、清水さんが言うには「我さんもカーテンコールでギャグやりましょう」って。巻き込まれてました(笑)。

今はコロナ禍というのもあって、稽古場でもソーシャルディスタンスを取られていると思うのですが、特にちゅうえいさんは初舞台というのもあって、それゆえに苦戦していることなどありますか?

一番僕が困るのは、稽古中もマスクをしているので、表情でなかなか感情を伝えられなくて。だから、マスクを剥ぎ取った瞬間、野坂さんは立ち上がって拍手するんじゃないでしょうかね。「今までこういうことをやってたんだね」ってスタンディングオベーションをすると思います(笑)。出演者のみんながマスクを開放した時も、すごく楽しみですね。今はマスクをしている顔でしか皆さんのイメージがないので、マスクを取ったら一瞬、誰か分からない人もいるかもしれないです。

最後に、名古屋公演に向けての意気込みと、ファンの方にメッセージをお願いします。

『Run for your Wife』では、お笑いでは見せない一面が見られると思います。ただ、本編ではギャグはないので気をつけてくださいね。本編はアドリブ厳禁です。お笑いのちゅうえいは翼をもがれた状態で、翼が生えてくるのはカーテンコールの時のみです。カーテンコールで今までの鬱憤を晴らすかのような爆笑ギャグが見られるので、こうご期待です。絶対、爆笑ギャグです! 爆笑し過ぎなきゃいいけど! 要注意!!

最近は客席での会話を控えてくださいという劇場アナウンスもありますが、爆笑ギャグには心置きなく笑ってほしいですよね。

笑ってほしいですけど、皆さんの笑顔を見るだけでウケていたと分かるので、逆に言うと声が聞こえなかったとしても、みんな笑ってんだろうな~って思うので、声を出さなくていいです! やっぱり飛沫が一番ダメですからね! どうせ笑ってるんでしょ、みんな!って思ってますから。全部プラスに考えます(笑)。

◎Interview&Text/岩本和子


4/23FRIDAY〜25SUNDAY
SHY BOY プロデュース公演
「ラン・フォー・ユア・ライフ」

【チケット発売中】
■会場/ウィンクあいち 大ホール
■開演/4月23日(金)18:30、4月24日(土)12:30、17:30、4月25日(日)13:00
■料金/全席指定¥8,900 当日¥9,200
■お問合せ/中京テレビ事業 TEL.052-586-4477
※未就学児入場不可
※東京公演は4/7(水)〜14(水)オルタナティブシアターにて開催中、大阪公演は4/27(火)・28(水)サンケイホールブリーゼにて開催