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「青木さやか」Web 限定インタビュー
取材日:2018.02.01

ここ数年、舞台やミュージカルに精力的に取り組む青木さやか。
名だたる演出家の作品に出演実績を持つ彼女が、お笑いの大先輩でもある
ラサール石井の傑作ミュージカル「HEADS UP!」の再演で全国ツアー中です。
「今までミュージカルを観たことがない方にこそ観ていただきたい」
様々なエッセンスが詰まったオリジナルミュージカルに乞うご期待!


今回出演のミュージカル「HEADS UP!」をはじめ、舞台出演に積極的ですね。

一人コントは昔からやっていたんですけど、演劇やミュージカルに出演するようになったのは、この5年くらいですね。最初のきっかけはもう10年以上前になりますが、三谷幸喜さんの舞台「なにわバタフライ」で、戸田恵子さんの一人芝居を観たことですね。すっごい面白かったんですよ。私は何か面白いものを観たりすると作った人の所に行く癖があるんですけど、その時も三谷さんに会いに行って、「あたしもあれに出たいです」って言ったら「ダメだ」って(笑)。「でも5年後に仕事を一緒にしましょう」って言われて。本当に実現したのがチェーホフの「桜の園」への出演でした。舞台のどこに立ったらいいかも、台詞を声に出すのさえ恥ずかしかったり、そんなところから皆さんに色々教えてもらいながらなんとか形にして。でも楽しかったんですよ。特に稽古。みんなで作り上げていくという、そのプロセスがとっても楽しいんです。

ミュージカルはまた演劇と勝手が違うところもありますね。

どう頑張っても本職のミュージカルアクターの方々にはかなわないですけど、 ミュージカルでの歌も台詞には違いないですから、言葉として大事にしながら、感情をしっかり乗せて歌うようにしています。だから上手く歌おうという気持ちはあまり持たないようにしています。

今回のミュージカル「HEADS UP!」での役どころを教えてください。

制作担当なんで、稽古のスケジュールやチケットの売行き、劇場やスタッフへの支払いといった仕事を担当する役なので、少し現場の人たちとは考え方に違いがあるかもしれない役ですね。熱い思いはみんなと同じように持っているけど、非常に現実的な考えを持っていなくてはいけない。裏方の中でもちょっと違う立場かもしれない。だから厳密にいうと、俳優・舞台スタッフ・制作という構図が見られるのも面白いところですね。

裏方さんの心理を理解するのに工夫されたことはありますか?

役作りには初演からずっと苦労していますね。どんな現場でも裏方さんってタレントの私達とはあまり喋らないですし、私自身どんな方達なのかちゃんと知らなかったんですね。だから初演の時から、このミュージカルの裏方さんと沢山話をするようにしました。すると裏方さんの熱い思いも感じられるようになり、もちろん「裏方の美学」みたいな部分も少なからずみんなの心の中にあって。少しずつ裏方さんの立場を理解していきました。でもその要素を私の体に入れる作業が難しいなっていつも思います。ただ、この舞台のラストに実際の裏方さんが舞台に上がるんですけど、みんなバツの悪そうな顔をしてて(笑)。その気持ちはすごく理解できます。


このミュージカルの見所は?

見所の前に、まずは初演から短い期間で再演が実現したということ。初演の評価がそれだけ高かったということだと思いますし、ラサール石井さんもこのミュージカルで、読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞されましたから。この再演は本当に素晴らしいことだと思います。あとはこのミュージカルがオリジナルミュージカルだということです。私はミュージカルの世界の人間ではないんですけど、この作品って日本人であるラサール石井さんが作ったんです。だから私たちが共感できる部分が沢山あるんじゃないかと思うんですよ。あとさっきも言いましたけど、バックステージに携わる色んな人達が出てくるので、きっと誰かに感情移入できるんじゃないかと。「HEADS UP!」の物語には、仕事や恋愛、夢、挫折とか全部詰まっているんですよ。全てがハッピーエンドではないですし、別れや人生の分岐点のようなものを感じさせる場面もあります。そういったことが分かりやすく描かれているので、若い人達や今までミュージカルを敬遠してきた方に、ぜひ観てもらいたいですね。


2/15 THURSDAY・16FRIDAY
ミュージカル「HEADS UP!」
チケット発売中
■会場/刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
■開演/各日19:00
■料金(税込)/S ¥10,800 A¥8,000
■お問合せ/中京テレビ事業 TEL052-588-4477
※未就学児入場不可
※2/15(木)アフタートークあり[登壇者(予定):哀川翔、青木さやか、中川晃教]