HOME > 平賀マリカ 歌う生活 > 11「選曲の謎」
ロンドンオリンピック、熱い闘いを見せてくれました。応援していたなでしこジャパンも頑張ってくれて、私達に沢山の元気を届けてくれました。
今年のオリンピックは本当に行きたかったです。なんたってイギリスにはビートルズをはじめ私の好きなアーティストが多い国ですもの。
特に注目したのが、開会式。開会式には、イギリスが生んだ文化とも言えるエンターテインメント、007のジェームズ・ボンドとエリザベス女王がヘリからパラシュートで降りてくるサプライズな演出があったり、ポール・マッカートニーが歌って華やかに開会式を盛り上げていました。
しかし、私は自宅でその映像を見ていて、あれ?と思ったことがありました。
歌った曲は「ヘイ・ジュード」(1968年)でした。この曲は私も大好きな曲です。が、何年か前にこの曲をポールが作ったいきさつをビートルズのドキュメンタリー番組で紹介していました。
当時、ビートルズのメンバー、ジョン・レノンの5歳の息子、ジュリアン・レノンは、ポールと仲が良く、よく一緒に遊んでいたそうです。
ジョンは当時、結婚していた奥さんと、夫婦仲が悪く、ジュリアンはとても寂しい思いをしていたそうです。
そんな時、元気のないジュリアンを励ませようと作った曲がこの「ヘイ・ジュード」だと聞いて、心温まるエピソードだなあ~、と思いました。
これからスポーツの祭典が始まるオリンピックの開会式の場で、なぜこの曲を選んだのか私には最初、わかりませんでした。
深く考えているのは私だけ?と思っていたのですが、同じように感じた方も居るのではないでしょうか。
私も選曲はいつも悩むところです。スタッフから「今度のコンサートで歌うソングリストを出してください。」と、1ヶ月以上も前に言われると、本当に悩みます。イベントの趣旨、客層や雰囲気など、選曲には沢山の理由があって、選びますから。客席を見て、急に変えることもあるのですから。
このように、世界中の人が見ているオリンピックの開会式・閉会式で演奏するとなると、沢山の制約もあると思います。時間とか、曲想とか、メッセージ性とか。う~ん、でも、単に歌いやすいとか、ヒットしたからみんなが知っている、とかの理由で選曲したのかも。閉会式にもたくさんのアーティストが出演していましたね。次の開催地リオデジャネイロへ五輪の旗を引き継ぐセレモニーもあり、サンバなどのブラジル音楽が華やかに演奏されてましたね。私もブラジル音楽を歌うことがあるので、4年後のオリンピックも楽しみです。
でも開会式での選曲、これは、今でも私にとっては謎のひとつです。