HOME > SPECIAL INTERVIEW > 「坂口健太郎」インタビュー

「坂口健太郎」スペシャルインタビュー
取材日:2021.01.14

2018年に放送されて話題を呼んだドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』が、
スペシャルドラマと映画になって帰ってくる。
現在と過去に生きるふたりの刑事が謎の無線を通して
タッグを組むという斬新な物語に、
主演として再び臨んだ坂口健太郎の、新たな挑戦とは。

坂口さんにとって『シグナル長期未解決事件捜査班』は、連ドラ初主演作品でした。ドラマの撮影時は、どんな思いで取り組んでおられましたか。

無我夢中でがむしゃらにやっていたというのが正直なところです。主演としてどう現場を引っ張っていくかということもよくわかっていませんでしたから。でもだからこそ、この作品で教えてもらったことがたくさんありました。主演としての振る舞いというか、いろんなところを見なきゃいけないんだなといったことも少しずつ学んでいけましたし。初めて主演させていただいた作品が映画化されるというのもなかなかないことだと思うので、僕の中でとても大きな作品になっているのは確かです。


そんな作品に再び臨むにあたっては、どんな気持ちになられたのでしょう。

戻ってきたという感覚が強かったです。一緒に過ごしていた警視庁・未解決事件捜査班のメンバーである、吉瀬美智子さん、木村祐一さん、池田鉄洋さんと再集合した瞬間に、“あ、帰ってきた”という気持ちになって。三枝健人という役を演じるにあたっても、連ドラから時間が空いていたので思い出さなきゃいけないことがたくさんあるかもしれないなと思っていたんですけど、健人の衣裳を着て、健人の髪型になって、「よーいスタート」がかかって皆さんとお芝居をしたら、勝手に戻っているという感じでした。


観るほうも、またあのチームに会えるという期待があると思います。改めてどんなチームでしたか。

たぶん画面に映っている空気感のままだと思うんですけど。キム兄さん(木村)がふざけたら、イケテツさん(池田)がツッコんで、吉瀬さんがそれを無視しながら「はいやるよー!」とまとめていく(笑)。そんなふうに楽しくやりながらキメるところはピシッと動くみたいなグルーブ感は、映画版を演出された橋本一監督も尊重してくださって、わりと自由にやらせてもらっていたと思います。

今作は韓国の同名ドラマをリメイクしたものですが、スペシャルドラマでは原作ドラマのエピソードを軸にオリジナル要素も盛り込まれ、映画では完全なオリジナルストーリーが描かれます。ことに映画は事件もバイオテロと、スケールが大きくなっていますね。

大きなものと戦うという意味では、試写を観て僕自身も健人の悔しさや悲しさが伝わってきましたし、切なさというエッセンスが足されている気がします。あと、映画では健人のアクションシーンもあるので、連ドラとはまた違う面白さのあるものになっているんじゃないかと思いますね。

アクションシーンは、まさしく“死闘”という表現がぴったりくるすさまじい迫力がありました。

そう言っていただけるのは本当にうれしいです。最初にアクションチームの方といろいろ話をしたんですね。三枝健人は別に強い男じゃないから、映画になって急にバッタバッタと人を倒していくのはおかしいですよねとか、だからダンスみたいに見えたくはないし、観てる方たちにも痛みが伝わるようなものにしたいですねとか。アクションをやったことがなかった僕にとって、それはすごく高度なことだったんですけど、“やってやろうじゃないか”と逆に燃える自分もいて(笑)。4ヶ月間くらい、かなり稽古しました。



その目指すアクションにしていくためには、どんなことを大事にされたのでしょう。

自分がどれだけ動けるのかも未知数でしたし、実際全然動けなかったんですけど(笑)、やったことがないから痛みもわからない。だから最初は、その衝撃を受けて本当に痛みを感じてみることから始めました。もちろん撮影するときはお芝居でやるんですけど、自分の中に痛みの引き出しがあるとないとではまったく違う気がしましたし。本当に健人は血だらけのボロボロになっていくので、僕自身もキツかったんですけど。でも、そんなギリギリの中で立ち向かっていく様っていうのは、やっぱり今回の健人の魅力だし、応援したくなるんじゃないかなと思います。

連ドラ、スペシャルドラマ、映画と撮影してきて、改めてこの作品の魅力はどこにあると思われますか。

謎の無線機で現在の三枝健人と過去の大山巡査部長(北村一輝)がつながって事件を解決していくというストーリーですけど、どこか、現在と過去がひとつになって本当に今起きてるんじゃないかと思わせるエネルギーがあるんですよね。そして、健人と大山巡査部長と吉瀬さん演じる桜井班長とのつながりも、この作品を語るうえでは外せない大事なところ。スペシャルドラマと映画で初めて『シグナル』を観る方にも、連ドラで描いてきた関係性を理解してもらえるように作られているので、楽しんでいただけるのではないかなと思っています。

キャンペーンで関西にも足を運ばれるとお聞きしています。何が楽しみですか。

関西と言えばやっぱり“食”ですよね。ベタですけどたこ焼きとか(笑)、神戸ビーフも食べたいです!

◎Interview&Text/大内弓子
◎Photo/安田慎一



3/30 TUESDAY〈21:30〜放送予定〉
ドラマ「シグナル 長期未解決事件捜査班 スペシャル」
◎カンテレ・フジテレビ系全国ネット ※放送時間は、変更になる可能性があります
◎脚本/仁志光佑 ◎監督/鈴木浩介
◎出演/坂口健太郎、北村一輝、吉瀬美智子
ⒸStudio Dragon&ASTORY/キム・ウニ/カンテレ

 
4/2 FRIDAY〜全国東宝系にて公開
「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」
◎監督/橋本一
◎原案/「시그널(シグナル)」ⒸStudio Dragon&ASTORY[脚本:キム・ウニ]
◎脚本/仁志光佑、林弘
◎出演/坂口健太郎、北村一輝、吉瀬美智子、木村祐一、池田鉄洋、青野楓
杉本哲太、奈緒、田中哲司、鹿賀丈史、伊原剛志