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「望海風斗」スペシャルインタビュー
取材日:2021.05.07

宝塚歌劇団の退団公演を盛況のうちに終えて、
宝塚歌劇の代表的なミュージカル「エリザベート」の歴代キャストによる
「エリザべートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート」では
トートとルキーニの二役に挑戦。
圧巻の歌声と演技力で見事に演じ切った
元宝塚歌劇団雪組トップスター 望海風斗の評価は、高まる一方だ。
そんな中、彼女の退団後最初のコンサート「SPERO」が発表された。
コンサートの見どころ、ファンに対する感謝の気持ち、
古巣となった宝塚歌劇団への思いなどを、望海風斗、大いに語る!

宝塚歌劇団を退団された、今の気持ちをお聞かせください。

自分が決めた事とはいえ、大好きな宝塚を去るのは淋しい気持ちもありましたが、ファンの皆さまから勇気をいただいて、卒業することが出来ました。

退団公演を終えた数日後、「エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート」に出演されました。コンサートの台本は、退団公演が終わるまで開かれなかったというのは本当でしょうか。ルキーニは花組時代に本役でしたが、トートは初役。大変だったと思います。

今回のエリザベートの出演者は皆さん退団を経験しておられるので、退団の大変さもよくご存じです。「退団公演は、組の皆と、ファンの皆さんと、ちゃんと向き合わないと後悔するよ。エリザべートは全てが終わってからで大丈夫!皆で協力して助けるから。」という言葉をいただき、千穐楽まで退団公演に集中しました。勿論、どこかに焦る気持ちはありましたが、もともと何かを並行して上手くやれるタイプではなく、今は退団だけに向き合おうと、台本は閉じたままでした。トートを舞台で演じるのは初めてですが、意外にルキーニの方が大変でした。台詞や段取りなどを思い出すところからですし、次の場面の説明をしたり、狂言廻し的な役割だったので、慣れるまでに時間がかかりました。

名曲揃いのエリザベートですが、敢えて1曲を選ぶとすれば何になりますか?

何でしょうね。うーん、「私が踊る時」ですかね。後から出来た曲ですが、あの1曲で完成している歌です。



明日海りおさんが演じるシシィとの「私が踊る時」も素晴らしかったです。歌に定評のある望海さんですが、この方の歌を参考にしているというような方はいらっしゃいますか。

オサさん(春野寿美礼)ですね。花組でトップをされていて、後ろでオサさんの歌を聴けたのは幸せでした。今でも歌で迷うと、オサさんの音源を探して聴いたり、オサさんならどう歌われるかなぁと意識しますね。

宝塚在籍中の昨年開催されたコンサート「NOW!ZOOMME!!」も楽しいショーで、印象に残りました。

あのコンサートは、自分たちが心から楽しんでいる舞台をお届けしたいと準備してきました。やり切ったと言える舞台でしたね。今回は宝塚を卒業して、自分の新たな挑戦の舞台ですので、まったく違うものになります。

その新たな挑戦となる今回のコンサート「SPERO」、見どころを教えてください。

ファンの皆様も、退団後、どんな感じで私が登場するのか楽しみにして下さっていると思います。まずは、こんなに早く皆様と再会できた事を一緒に喜び合いたいですね。コンサートとしては、生バンドをバックに、いろんなジャンルの曲をたくさん歌う予定です。宝塚時代の曲も取り上げますが、これまでの男役の声から、本来の自分の声に少しずつ戻していく姿を、コンサートを通してファンの皆様にお届けできればと思っています。ダンスにも挑戦しますのでそちらもご期待ください。愛知と福岡のコンサートは、最後まで私のショーを堪能していただこうと思っていますが、大阪と神奈川のコンサートは、期間も長いので、ゲストをお呼びします。大阪はラミン・カリムルーさん、神奈川には井上芳雄さんと海宝直人さんに出演していただきます。私も楽しみにしていますが、ファンの皆様にも喜んで頂けると思います。

望海さんのお話は、常にファンを意識されています。望海さんにとってファンとはどんな存在ですか。

ものすごく大きいです。ファンの皆さんが私をトップに立たせてくださいました。毎回、自分の限界を感じますが、ファンの皆さんが一緒に走り続けてくださったから、ここまでやって来られました。なので、皆さんが何を望んでおられるのかは、常に気にしています。

望海さんが宝塚にハマるきっかけになった作品は何ですか?

涼風真世さんの月組退団公演「グランドホテル」と「BROADWAYBOYS」を観劇して、一気に宝塚歌劇の世界に引き込まれました。その時からずっと、天海祐希さんのファンです(笑)。


次の雪組公演「CITYHUNTER」は、ご覧になられますか?

もちろんです。本当は初日が開くのを、ステージ上で皆と一緒に見届けたい気持が強いのですが、そこは去った身なので、はい…。

男役に徹し、ダンディズムを極めてこられた望海さんは、リアル男性のどんな所に惹かれるのでしょうか。

男女問わず、何かに一生懸命な姿は惹かれます。私の居た宝塚歌劇団は、多くの人の手によって支えられている場所です。周囲には才能に溢れたプロフェッショナルな方が多いです。出演者はもちろん、スタッフも裏方さんも皆さん宝塚のことを愛しています。そこにファンの方の思いも加わり、この夢の世界が100年以上も続いて来ました。色んな人に支えられて、今の自分がいるのだという事は、トップになって初めて気付きました。

退団後の活動としてまず選ばれたのがコンサートでした。この後はどんな事をやっていかれるのでしょうか。

私は自分の心が動かないと進めない人間なので、色々と経験しながら、ゆっくりと進路が決まるように思います。まず歌から始めますが、お芝居にも挑戦してみたいです。何々がやりたいという事では、宝塚がやりたいというのが一番大きかっただけに、それに代わるものはすぐには見つからないように思います。

テレビのバラエティ番組などはいかがですか?

いやぁー、私には無理ですね(笑)。

最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

名古屋には全国ツアーや中日劇場の公演で何度も伺っていますが、食べ物も美味しく、大好きな街です。今回の会場となる東海市芸術劇場も伺ったことがあります。このコンサートを通して新しい出会いや発見があると思うと、今から楽しみです。ぜひ、新たな一歩を踏み出す決意のステージをご覧になりに、劇場にお越しください。お待ちしています!

◎Interview&Text/磯島浩彰
◎Photo/安田慎一



9/16THURSDAY・17FRIDAY
望海風斗コンサート『SPERO』
■会場/東海市芸術劇場大ホール
■開演/9月16日(木)17:00 9月17日(金)12:30、17:00
■料金(税込)/全席指定 ¥11,000
■お問合せ/CBCテレビ事業部 TEL.052-241-8118
※未就学児入場不可