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「宮本笑里」スペシャルインタビュー
取材日:2021.04.06

ロックギターとバイオリンのコラボレーションによる楽曲「ララミディア」を発表。
今や本拠地であるクラシック界を凌駕して、マルチな活躍をみせる宮本笑里。
満を持してビルボードライブツアーを敢行する。
バイオリンの魅力とは、久しぶりとなる関西ツアーへの意気込みを語ってもらった。


先ごろ単曲先行配信された、ギタリストDAITAさんとのコラボレーション楽曲「ララミディア」についてお聞かせください。

この楽曲は、今夏横浜で開催される「Sony Presents Dino Science恐竜科学博ララミディア大陸の恐竜物語」の公式テーマ曲として制作に携わらせていただきました。作曲・編曲・プロデュースを元SIAMSHADEのギタリスト、DAITAさんが担当されて、バイオリンとロックギターによる壮大な楽曲になったと思っています。演奏するにあたって、恐竜たちが息づいていた時代、彼らはどんな風景を見ていたんだろうと想像を膨らませて臨んだ作品です。DAITAさんのギターと私のバイオリンが、まるで恐竜たちが戦っているかのような、エモーショナルな部分が聴きどころですね。

DAITAさんとの異色のコラボレーションはクラシック奏者である宮本笑里にとって、どういったものだったのでしょうか。

DAITAさんは多くを語るのではなく、感覚的なことを大切にしてプロデュースされるタイプの方だったのでとてもやりやすかったですね。もともと私はクラシック音楽を学んできたのですが、感覚的に理解するタイプなので、スムーズに作品世界を共有できたと思っています。


感覚的に音楽を理解し演奏する宮本笑里のスタイルは、どういったところから影響を受けられたんでしょうか。

同じ音楽家である父の影響がやはり大きいですね。クラシック音楽は譜面通りに演奏するのが基本です。もちろんそういった訓練も重要でベースにはあるんですが、どこか自分なりのオリジナリティーを出さないと面白くないと小さい頃から思っていました。音楽家の父もそういう考えの人で、クラシック音楽だけでなく、ジャズやポップスといったジャンルに真摯に向き合っている父の背中を見てきたからだと思います。

テレビへの出演、エッセイの執筆、CMへの楽曲提供などマルチな活躍をされ、メディアにどんどん登場されていますが、そういった活動に関して、どんな感想を持たれていますか

偶然が偶然に重なって、いろんな多くの出会いがあって楽しい経験ばかりをさせていただきました。まったく違うジャンルの方々やスタッフの方とお仕事をさせてもらうのは幸せなことだと思いますし面白い経験ばかりですね。



ご結婚され、一児の母となられて、音楽への向き合い方への変化などはありましたか。

子育て中はプライベートな時間を一切持てなくなって、十分な練習時間もとれずに、どんどん気力が失せていってしまった時期もあったのですが、だんだん自分なりのリズムをつかみだしてからは、少し気が楽になってきました。日々の練習も完璧を求めずに子育てと両立していこうという気持ちにもなれました。ただ本番前には完璧に集中したいので、そこは周囲の家族に協力をしてもらって練習室に閉じこもったりはしています。やはり150%の状態にしておかないと、必ず本番では120%くらいには落ちてしまうのです。

待ちに待ったビルボードツアーがいよいよ始まります。今回のツアーはどういったものになりそうですか。

長年お世話になっている場所ですので、ホーム感が大きいです。またこの場所に帰って来たという感覚ですね。コロナ禍によって延期に次ぐ延期だったものですから、お客様同様に私もやっと演奏を聴いていただけるという喜びでいっぱいです。本当に久しぶりのビルボードライブツアーですから、いつも演奏して喜んでいただける定番曲はもちろん、アルバム「Life」から、そして私自身がセレクトした新しい曲も演奏していこうと考えています。

ビルボードライブ大阪でのツアーも楽しみですが、関西のお客様には、どんな印象を持たれていますか。

関西のお客様はやはり反応が他とは違います。とにかくノリが良くて空気感が違いますね。ステージから見えるお客様の表情も笑顔が圧倒的に多くて、演奏している私自身、観客席からパワーをもらっているような感覚になってしまいます。

宮本笑里という演奏者にとってバイオリンの魅力とはどういったものになるんでしょうか。

やはり楽器ひとつひとつに個性や性格があって、私がもう10年ほど弾いているイタリア製のドメニコ・モンタニャーナという300年前のバイオリンは、よくこの状態で存在してくれていると感動します。バイオリンはその楽器自体の個性、また演奏者によってもまったく違う音になります。そういった音の粒を楽しんでいただけるところが魅力です。今も奏でる音がどんどん変化していますから。

最後にMEG関西版を読んでいただいている関西のファンにメッセージをいただけますか。

ずっと関西でのコンサートを心待ちにしてくださっていた方、私自身も心が折れそうになった時もありましたが、ようやく生の音をお届けできることができそうです。久しぶりの生の演奏をご一緒に楽しみたいと思っております。会場でお会いできますことを願っております。

◎Interview&Text/石原卓
◎Photo/安田慎一
◎Makeup&Hairstyling/福島加奈子



8/13 FRIDAY
振替公演

「宮本笑里 Life Release Tour 2021」
■会場/ビルボードライブ大阪
■開演/[1st]15:30 [2nd]18:30
■料金(税込)/Service Area¥7,300 Casual Area¥6,800
■お問合せ/ビルボードライブ大阪 TEL.06-6342-7722