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清水ミチコのシミズム

MEGの読者の皆さん、お元気でしょうか。
私は元気ですが、たまにちょっと腰が痛いです。
でもこのトシにしてはそんな程度なので、
日々感謝しなければいけないと思います。
もちろん、毎回コラムを読んでくださってる
皆さんにもありがとうと言いたいです。
いわんや、感謝したいのは自分のスタッフに対してもそうです。
いつも私の味方になってくれ、アドバイスをくれ、
言いにくいであろう注意もしてくれる。
私の実家は飲食店などを数件経営していました。
しかし、両親はスタッフにはちょいちょい
ブツクサとなんだかんだよく怒っていました。
「窓をそろそろ拭いた方がいい、と言ったら、
『でしょ?』と言った、その言い方!」と、
「でしょ」の言い方をわざわざ
誇張したモノマネをしながら怒ってたり、
「いらっしゃいませ、
だけは恥ずかしくて言えないって、
そんな道理があるか!
じゃあなんでウチに来たんや。」など、
もちろん怒る気持ちもわからなくもないですが、
笑いと怒りは紙一重のようである、
と思わずにはいられないまま、
同時に夫婦で怒り合ってグチを言い合ってるなんて、
なんてセコい大人なんだろうか、
と情けなく思ってました。
そんな少女も中年のタレントになった先日、
とても楽しい収録がありました。
番組収録というものは、
フタを開けてみないとわからないもので、
うまく行くかどうかは、案外人間の波長にもよるものです。
この日の私は、共演者との波長も合い、
とても楽しく、ノリノリでした。
しかもプロデューサーから
「面白かったから、カットせず、
2週にわたって放送しましょう。」
と言われ、さらに有頂天になったものです。
しかし、帰り際、マネージャーのタナカさんが別れ際、
まったく悪気のない口調でこう言いました。

「今日も茶々入れてましたね~!」
あんた、私の仕事、茶々って思ってたの?!
スタッフの言い方をモノマネしてた両親の気持ちが、
その日やっとわかりました。
茶々じゃないわ!あれ、ツッコミなんや!