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「坂東玉三郎」スペシャルインタビュー取材日:2026.08.29
「音楽を聴いた後は、心を慰め、
また明日から明るく素晴らしく生きていけると思えることが大事」。
そう語る坂東玉三郎が、愛と人生と夢をテーマに歌う。
歌舞伎を超えて挑み続けてきた表現者が、今、音楽に託す思いとは。
今回はフルオーケストラとの共演で、シャンソンからジャズやミュージカルといったアメリカンポップスまで、ご自身で選曲された楽曲を歌われます。まず、今回このようなコンサートに出演しようと思われたきっかけと、これらの曲を選ばれた理由をお聞かせください。また、『愛・人生・夢』がテーマの楽曲ですが、込められた思いもお聞かせください。
「愛・人生・夢」がテーマの楽曲となっていますが、それは歌の基本だと思います。反戦歌や、人生に対する悲しさ、そういった楽曲もあると思いますが、シャンソンやミュージカル、ジャズスタンダードの主たるテーマは人間愛、人生観、そして夢等です。ですから音楽を聴いた後は、心を慰め、そしてまた明日から明るく素晴らしく生きていけると思えることが大事なのではないかなと思います。
玉三郎さんは歌舞伎だけでなく、舞踊や映画、オペラ演出、海外の芸術家とのコラボレーションなど、さまざまな表現に取り組んでこられました。今回、歌を中心としたステージに立たれることは、これまでのご自身の表現の延長線上で、どのような位置付けとして捉えていらっしゃいますか?
徐々にこのようなコンサートになってきました。最初は15年ほど前に小さなコンサートを始めたのがきっかけなのです。歌舞伎公演の為に発声の練習をしているうちに、やっぱり歌った方がいいのではないかということから始まりまして、去年初めてすみだトリフォリーホールで、新日本フィルとのフルオーケストラでコンサートを開かせていただきました。同世代のお客様たち、あるいはオーケストラコンサートやミュージカルを聴き慣れてらっしゃる方々が喜んでくださいまして、『これからも機会があったら続けていきたいな』っと思いました。今回、こうして愛知県芸術劇場でオーケストラコンサートを開かせていただけますことを大変嬉しく思っております。
これまでさまざまなジャンルの音楽や音楽家と出会い、舞台を創ってこられたと思います。玉三郎さんにとって、音楽は舞台表現の中でどのような存在なのでしょうか。また、歌舞伎の「間」や「呼吸」と、音楽における「間」や「呼吸」に通じるものを感じることはありますか?
歌舞伎と音楽との関係性ということですが、文字の通り、歌舞伎とは、歌・舞・技・術なのです。これまで、演劇やミュージカル等の素晴らしい音楽は、長い間皆さまの心に残っていると思います。名画、「禁じられた遊び」や「アラビアのロレンス」「第三の男」「旅情」など、挙げれば数限りない名曲があります。そしてリチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン2世時代からの名曲の数々がミュージカルとして流れてきました。今回その時代に出来た名曲が入ることを嬉しく思っています。歌舞伎にはいつも御簾内の音楽、三味線と歌が流れていて、それが芝居を運んでいきます。音楽と歌舞伎、音楽と演劇、音楽と映画の関係性は特に大切なものです。また人間は、畑仕事や子守歌など、生活の中から音楽を大切にしてきました。そういう意味で、人間と音楽は切っても切り離せないものだと思います。
春風亭小朝さんとは、これまでも「越路吹雪物語」などで共演されてきました。今回も小朝さんが「音楽噺」でクラシック音楽の世界へ観客を導く構成になっていますが、長く共演されてきたお二人だからこそ生まれる面白さや、今回のステージで期待していることを教えてください。
春風亭小朝さんとは、実は20歳ぐらいからの知り合いでして、母のところに少しだけ踊りのお稽古にいらっしゃったことがきっかけで、今回の催し物になりました。大変な勉強家でいらっしゃる小朝さんは、歌舞伎をよく観ていらっしゃいまして、『いつか共演をしよう』ということだったのですが、「越路吹雪物語」で初共演させていただきました。そして過去には「牡丹燈籠」にも二人高座で上がらせていただきました。
歌舞伎女方として長く第一線で活躍され、国内外のさまざまな芸術家との仕事を重ねてこられた玉三郎さんですが、これまでの経験を経た今だからこそ、改めて挑戦してみたい表現や、これから観客に届けていきたいものがあればお聞かせください。
私はこれまで長いこと舞台に立たせていただいてきました。しかし体力的な問題もありまして、こうしたコンサートやトークショー等を開催させて頂いていますが、大きな舞台作品には、わき役で演出したり、あるいはプロデュースをしたりして、皆様に夢のある劇場空間をお届したいというのが私の強い思いですし、私の将来の夢でもあるのです。
◎Interview&Text/福村明弘
◎Photo/柏原孝史
10/31 SATURDAY
坂東玉三郎 プレミアムシンフォニックコンサート
with 春風亭小朝
■会場/愛知県芸術劇場 コンサートホール
■開演/14:30
■料金(税込)/全席指定 プラチナ¥12,000 SS¥10,000 S¥8,000
※特製プログラム付
■お問合せ/サンデーフォークプロモーション TEL.052-320-9100(12:00~18:00)










