HOME > MEGLOG【編集日記】 > 花、音楽、舞踊で甦る、三島由紀夫の美の世界

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三島由紀夫の命日「三島忌」の直後、愛知で特別な舞台が幕を開ける。文学を起点に、花、日本舞踊、ヴァイオリン、ピアノが交錯。三島と縁深い名古屋西川流も参加し、その美学と生涯を現代の舞台芸術として描き出す。


1970年11月25日、45歳でその生涯を閉じた三島由紀夫。没後半世紀を超えた今も、小説、戯曲、評論など膨大な作品群と、その鮮烈な生き方は人々を惹きつけ続けている。三島忌直後の11月28日、愛知県芸術劇場コンサートホールで開催される「THE DAY OF MISHIMA―花と音楽・舞踊の宴―」は、そんな三島の世界を、文学そのものではなく、花、音楽、舞踊という異なる芸術によって立ち上げようとする意欲的な公演だ。

幕開けは、華道石田流四代家元・石田巳賀による「花の儀」。G20愛知・名古屋外務大臣会合の装花を担当し、フランスでもいけばなのデモンストレーションを行うなど、古典を礎に現代アートや異分野とのコラボレーションにも取り組んできた石田が、花を生ける所作そのものによって舞台空間を創り出す。

続く第一章は、ヴァイオリニスト・川井郁子による新制作版モノオペラ『美徳のよろめき』。三島が1957年に発表した同名小説を題材に、川井自身が台本・演出・音楽を手がけ、ヴァイオリンと語りで、許されぬ恋に身を委ねる女性の愛と官能、葛藤を描く。川井は国内外で活躍する一方、作曲や舞台制作にも活動を広げ、近年は和洋混合オーケストラ「響」を結成。2023年にはニューヨーク・リンカーンセンターで公演を行うなど、音楽・演出・物語を融合させた独自の舞台表現を追求している。本公演では三島文学に潜む危うく濃密な美を音楽へと変換する。

第二章では、ピアニスト・滑川真希と、西川流四世家元・西川千雅が共演。フィリップ・グラスが映画『Mishima: A Life in Four Chapters』のために作曲した『MISHIMA』を、ピアノと日本舞踊によって描き出す。ウィーンを拠点に世界で活躍する滑川は、フィリップ・グラス作品の第一人者として知られ、グラスが彼女のために作曲した作品の世界初演も手がけてきた。『MISHIMA』のピアノ・ソロ版も録音しており、今回、その研ぎ澄まされた演奏と日本舞踊との出会いから、新たな「MISHIMA」が生まれる。

舞うのは西川流四世家元・西川千雅。国内外で日本舞踊の舞台に立つ一方、「名古屋をどりNEO」をはじめ、伝統を現代へつなぐ新たな舞台づくりにも精力的に取り組んでいる。本公演では西川が演出・振付も担当。グラスの音楽に呼応する身体によって、三島自身の生涯や内面、美への執着を描き出す。ここには「名古屋で三島を描く」ことの意味もある。西川流二世家元・西川鯉三郎は、戦後に「名古屋をどり」を創設し、日本舞踊に演劇性を取り入れた新作舞踊劇を次々と発表。その創作には川端康成、有吉佐和子、木下順二らとともに三島由紀夫も参加した。文学者と舞踊家が手を携え、新たな舞台表現を生み出した歴史が、名古屋にはある。

その系譜を継ぐ西川千雅の舞と、三島の生涯を音楽化したグラスを知り尽くす滑川真希のピアノ。そこに川井郁子が『美徳のよろめき』から描く愛と官能、石田巳賀の花が重なる。文学を「読む」のではなく、音で聴き、舞で見つめ、花とともに感じる――。三島由紀夫という巨大な表現者を、異なるジャンルで活躍する表現者たちが、それぞれの方法で照らし出す。三島と名古屋を結ぶ記憶を受け継ぎながら、現代の舞台芸術として新たに立ち上がる、一夜限りの「MISHIMA」である。

<プログラム>
◎花の儀  
出演/華道石田流 四代家元・石田巳賀
◎第一章  :新制作版 川井郁子プロデュース組曲『美徳のよろめき』  
台本・演出・音楽/川井郁子  
出演/川井郁子(ヴァイオリン&語り)、松永裕平(ピアノ)、鈴木崇朗(バンドネオン)、齋藤順(コントラバス)予定
◎第二章  :『日本舞踊とピアノ演奏の饗宴』  
演奏曲/フィリップ・グラス『MISHIMA』  (編曲/マイケル・リースマン))
演出・振付・舞踊/西川千雅  
ピアノ/滑川真希

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11/28 SATURDAY【10/17(土)〜チケット一般発売】
「THE DAY OF MISHIMA―花と音楽・舞踊の宴―」
■会場/愛知県芸術劇場 コンサートホール  
■開演/18:00(開場17:00)※終演20:00予定  
■料金(税込)/全席指定 ¥6,500、ペア ¥12,000 ※特製プログラム付  
■お問合せ/ミュージックステーション TEL.052-734-3461(平日11:00〜18:00)  
■チケット購入は 公演ホームページ から
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